ウクライナ問題は当事者にとって悲惨な出来事であります。当初からこれほど長く続くと予想した人も少ないでしょう。傍目ではありますが、このところウクライナ問題に対する報道がやや減ってきている気がします。戦争が膠着状態にあることもあるのでしょう。ただ、それが人々の関心からそれたわけではありません。

ゼレンスキー大統領、国民に忍耐を呼び掛ける(2023年4月11日、ウクライナ大統領府公式サイトから)
日本と韓国が急速な政治的関係修復となっています。安倍元首相は朴槿恵元大統領と焼き肉を一緒に食べるのを拒否しましたが、岸田首相は尹錫悦大統領と夫婦同士で焼き肉に酒まで酌み交わす関係を築き、麻生副首相も11日に尹大統領と会談しました。更に尹大統領は広島サミットの5月19日に向けて来日します。今まで双方そっぽしか向いていなかったのがこれほど熱い関係になれるのでしょうか?
このブログをお読みの方には韓国問題について博識のご意見番の方が多いのですが、この変化について苦い思いで見ている方も多いのではないでしょうか?なぜ、苦い思いかと言えば「過去を見ろ!」であります。ただ、安倍元首相は「未来志向で行きましょう。自分たちの子孫に過去を背負わせたくない」という趣旨のことを述べましたが、韓国は当時、安倍氏の主張に聞く耳を持ちませんでした。
今、たまたま波長が合う両国のトップが目指しているのは過去の修正というより今起きている国際事象について意見を共にしていると考えています。つまり、歴史や積み残した問題処理ではなく、迫りつつある国際問題にどう対処するか、そこに焦点を当てています。過去の問題のほとんどは清算/解決されたわけでもないし、両国民とも心に秘める怨嗟の思いはあるのですが、それを言っている場合ではない、という想いが両トップのスタンスであるとみています。