顧客の立場からいえば、どの運転手にあたるかは決定的に重要である。なぜなら、運転手間の能力、経験、知識、就労意識の格差は大きいからである。路傍で手を挙げてタクシーに乗るとき、どの程度の質の運転手にあたるかは全くの偶然であって、そこには大きなリスクがあるわけだ。そこで、運転手の質に関する評価情報が公開され、顧客が評価に基づいて運転手を選択できるようにすることが必要なのである。

そもそも、運転手の質に関するリスクだけでなく、空車のタクシーが見当たらないリスク、混雑状況に応じて、長時間となり高額となるリスクなど、タクシーの利用にリスクが多すぎることは、電車が確実という顧客の評価となって、タクシー需要の低迷を招いているわけだから、逆にリスクを低下させる工夫によって、潜在需要を開発できるということなのである。

森本 紀行 HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 HC公式ウェブサイト:fromHC twitter:nmorimoto_HC facebook:森本 紀行