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シンクタンク「クリンテル」がIPCC報告書を批判的に精査した結果をまとめた論文を2023年4月に発表した。その中から、まだこの連載で取り上げていなかった論点を紹介しよう。
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IPCC報告における将来の海面上昇予測が地点ごとに以下のリンクに公開されていて、インタラクティブに数値やグラフを見ることが出来るようになっている。
IPCC AR6 Sea Level Projection Tool

IPCC AR6 Sea Level Projection Tool
そこでクリンテルがこの海面上昇予測を北欧の首都について観測データと比較すると、過去のトレンドからかけ離れていることが分かった。過去は海面は下がっているのに、予測では上昇を続けることになっている(なおここでは将来シナリオとしては現状のなりゆきに近いSSP245を用いている)。