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シンクタンク「クリンテル」がIPCC報告書を批判的に精査した結果をまとめた論文を2023年4月に発表した。その中から、まだこの連載で取り上げていなかった論点を紹介しよう。
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IPCCでは北半球の4月の積雪面積(Snow Cover Extent, SCE)が減少したというグラフが強調されている。地球温暖化によって積雪が減ったという訳だ。
ところがクリンテルは、春においては積雪面積は減少したが、秋と冬にはむしろ増加してきたので、IPCCのように4月の結果だけを強調するのは不適切だとしている。下図がそれを示すもの。
この観測データセットはラットガーズ・グローバル・スノー研究所によるものであり、この分野ではもっとも著名なデータセットだ。