入梅が近い。4月、5月と調子が上向いてきた海で釣っていると、すぐそこだ。雨季には雨季の釣りがあるが、備えがないと、出遅れる。憂いなく準備して、雨に備え雨を制そう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
梅雨入りと釣り
筆者の場合、4月くらいから雨季を意識しはじめる。6月くらいに梅雨入り、7月3週目くらいまで雨に邪魔されると思っているので、1ヶ月間雨と思わなければならない。多くの釣り人にとって釣りがしやすい週末とザーザー降りが重なることもある。それは仕方がない。
レインスーツを準備
ただ少々の雨ならば、釣行に出かけたい。そのためにも、準備だ。筆者は昨年で10年を迎えたレインスーツをついに買い換えた。
理由は、裏地の加水分解。素材にもよるが、レインスーツには加水分解がある。同様の理由で、主には経年磨耗と湿気により靴も加水分解しやすい。雨に濡れた堤防では危険な要素となるので注意しよう。
雨の悪影響と魅力
梅雨は厄介なものである。まず、水潮という釣り人の大敵がある。豪雨や、数日続く雨の後には、海水よりも比重の軽い真水が海の上に乗ってしまい、釣りにくい状態となる。魚が息をしにくいせいだろう。汽水域でも同様で、真水をあまり気にしない魚も水潮を嫌う。
水潮は海面を見れば分かるのだが、なんというか「ならなら~」とした感じで海面が凪いでいるような状態だ。ほとんど釣果を望めないと思った方がいいだろう。
活性が上がることも
その一方で、小雨くらいならば逆に活性が上がる魚も多い。いわゆる「小雨パターン」というもので、海中が微妙な刺激を受けてプランクトンが増殖するせいか(仮説です)、アジやメバルといった魚の食いがよくなる。同時に小魚をベイトにする大型魚も活性が上がる。
水潮は圧倒的な釣りのアゲインスト、小雨パターンはフォローと考えよう。雨の降り方を見極めれば雨季でもそう苦労しない釣りに持ち込むことができる。こちらのやり方次第だ。
雨天は釣りにくい
雨の何が嫌といって、釣り人の感覚が大きいだろう。まず足元が滑る。これは危険も伴う。そして、ライトライン・フィネスの釣りでは特に、投げるときにロッドのブランクスにラインが取られてしまい、キャストが決まりにくい。そして、全体的に鬱陶しい。なんといっても、人間の気分的にやりにくいのは間違いない。
道具が濡れる弊害も
筆者はライトゲームアングラーで、ジグヘッドの尖りや鮮度をかなり気にする。そうなると堪らないのが、雨がヘッドケースのスポンジ部分を濡らすことだ。塩は含んでいないはずだが、雨でジグヘッドが濡れると、錆びやすい気がする。全体に防錆スプレーでも吹いておけばいいのだろうか?分からない……。
しかし上述のように、雨がフォローとなることもある。小雨パターンは顕著で、梅雨メバルがひねり出しやすいのも、多少の雨のぱらつきがあるタイミングだ。聞いた話だが、バチ抜け後でプレッシャーがかかっているシーバスにも、雨のせいで海がスモークになる多少の雨降りは、フォローになりやすいらしい。ベイトを見極めて、執念のキャストを続けたい。