1980年12月の夜、米テキサス州ヒューストンの郊外にて、史上最も重要なUFO遭遇事件として知られる「キャッシュ・ランドラム事件」が発生した。
午後9時頃、老夫婦とその孫の3名は農村地帯の森の中を自動車で走行中に、まばゆい光を放つダイヤモンド型の物体が浮かんでいるのを発見。最初こそ、あまりの不気味さにすぐにその場を離れようとしたものの、道路上まで降りてきたため、夫婦は車外に出て近づいてみることに。観察を続けているうちに無数のヘリコプターがやってきて、浮遊体を取り囲むように飛び去っていったという。
この間、わずか20分間の出来事だったが、彼らは帰宅直後から放射線障害によく似た症状を発症し、その後も体調が回復することはなかった。他にも多数の証言が寄せられており、一時は米軍の関与も疑われたが、法廷で夫婦の主張は認められることなく、1986年に敗訴している。2019年の記事から、今もなお、真相不明のUFO事件として語られる本事件の概要を再掲する。
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※ こちらの記事は2019年6月26日の記事を再掲しています。
1980年12月、米国で3人が道路上でUFOと遭遇し、放射線障害にも似た健康被害を受けた末、米軍を訴えたという前代未聞の事件が起きた。UFO研究史上で最も重要な事件の一つといわれる「キャッシュ・ランドラム事件」である。

道路上に現れた謎の物体
1980年12月29日午後9時頃。米国テキサス州ヒューストンの郊外、ニューキャニーとハフマンを結ぶ道路FM(Farm to Market Road)1485で事件は起きた。
ベティ・キャッシュ(51)、ヴィッキー・ランドラム(57)、その孫コルビー・ランドラム(7)は、農村地帯の森の中を自動車で走行中、木々の上に不思議な光が浮かんでいるのに気付いた。当初は飛行機の光だと思ったそうだが、近づいてみれば、それはまばゆい光を放ちながら浮かぶダイヤモンド型の物体だった。その光景はあまりにも不気味で、3人は急いで通り過ぎようとしたが、それは車の進路を塞ぐように道路上まで降りてきたという。

その物体は金属らしき光沢を持ち、中央には青い光がリング上に並んでいて、下部からは地面に向かって激しい炎を噴射していた。物体からおよそ50メートルのところに車を止めて、ベティとヴィッキーは外に出て物体に近づいてみることにした。コルビーはすっかり怯えていて、車から降りようとはしなかった。物体から発せられる熱で周囲は非常に熱くなっていて、ヴィッキーはすぐに車に戻り、ベティだけがしばらくそれを観察していた。

ベティが車に戻ったところ、車体は触れないほど熱くなっていた。布越しになんとかドアを開けると、内部もひどい暑さで、ダッシュボードは手形が残るほどやわらかくなっていた。
しばらくすると物体は上空へと浮かび上がっていった。やがて無数のヘリコプターがやってきて物体を取り囲み、一緒に飛び去っていった。数えたところ、ヘリコプターの数は23機だったという。
およそ20分ほどの出来事だった。