【読書の目的を明確にする3ステップ】

(1)本を読んだ後、「どうなっていたいのか」をしっかりイメージする 営業成績を上げたいという場合であれば、どのようにして成績を上げようと考えているのかを、改めて自分に問い直してみてください。セールストークがうまくなりたいのか、顧客との距離感を縮めたい・信頼されるようになりたいのか、相手を説得できるロジカル思考が得意な営業マンになりたいのかなど、理想のスタイルがあると思います。

「営業成績を上げたい」という目的を達成するために、自分はどのような営業マンになりたいのかを明確にして、さらに、それを達成できた自分の姿をまぶたの裏に焼きつけてください。

(2)そうなるためには「何が必要なのか」を理解する セールストークがうまくなりたいと思うのであれば、今の自分には何が足りないのかを考えなければいけません。商品の魅力をきちんと伝えられていない、重要なポイントをうまく説明できていない、関心を持ってもらえるような話し方が苦手……など、いろいろな課題と、それを埋めるために必要なことがあると思います。

この「何が必要なのか」を知るステップが、読書の目的を明確にする部分でもあるので、しっかり考えてください。ここが曖昧だと、「読んだけど役に立たなかった」という本を量産してしまうことになりかねません。そしてここが終われば、「目的の明確化」というプロセスは終了したようなものです。

(3)必要な知識や情報を得るためには「どのような本を読むべきか」を考える (2)で明確になった“必要な要素”を埋めてくれる本を見つけ出すステップです。ここは本選びの技術でもあるのですが、目的に合致した本を選ばないと「読んだけどお金と時間の無駄遣いだった」となってしまいます。

とはいえ、なかなか自分の目的と100%合った本を見つけるのは難しいものです。そのようなときには、目的に一番近そうな本を入手して、自分に必要な部分のみ、しっかりと読むなどの工夫をしましょう。

このように、今まで意識したことのない「読書の目的」をはっきりさせるだけで、読書の効果は大きく変わってきます。 さっそく本選びのときに実践してみてください。

金川 顕教(かながわ・あきのり) 公認会計士・税理士 公認会計士、税理士、『YouTube図書館』運営、作家。 三重県生まれ、立命館大学卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループでの勤務を経て独立。現在、会社7社のオーナー業の傍ら、起業家育成プロデュース、出版プロデュースを行い、1人でも多くの人に読書の大切さを伝えるため、『YouTube図書館』の運営及び執筆活動を開始。『YouTube図書館』では、毎日更新、年間365本の書籍解説動画をアップし、これまでに解説した書籍は1,640冊以上、チャンネル登録者は132,329人、動画再生数は2,656万回を突破(2023年1月現在)。執筆活動では、ビジネス書、自己啓発書、小説など多岐にわたるジャンルでベストセラーを連発し、累計部数は55万部以上。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年5月8日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。