株式投資を始める時に真っ先にぶつかる壁が「銘柄探し」ではないだろうか。証券取引所には数千にものぼる企業が上場しているため、その中から投資先を選ぶことは至難の業だ。そこで、銘柄探しに活用したいのが「会社四季報」だ。

「会社四季報」は全上場企業が掲載されている銘柄カタログ

株式投資で取引できるのは、一般的には証券取引所に上場している企業の銘柄に限られる。私たちが知っている身近な企業が必ず上場しているわけではないし、すべての上場企業を知っているとは限らない。また、投資余力やリスク許容度は人それぞれのため、欲しい銘柄が必ず買えるわけではなく、他の上場企業を選ばなければならない場合もあるだろう。

会社四季報はすべての上場企業が掲載されている銘柄カタログだ。株式市場に上場している企業の大半は見聞きしたことがないだろうから、銘柄を比較検討するために活用する書籍になる。会社四季報とは、数千にものぼる上場企業についての情報を提供している書籍のことで、東洋経済新報社が3月、6月、9月、12月の四半期ごとに発行している。インターネット版の「会社四季報オンライン」もあり、書籍では提供できない即時性の高い投資情報を定期的に更新している。

会社四季報を読む8つのポイント

会社四季報には様々な情報が掲載されており、一つの企業欄の情報を大きく分けると以下の8つに分けられる。

(1)会社名・銘柄コードの確認(右側)
(2)業績予想記事・材料記事(真ん中から右)
(3)株主欄・役員・連結子会社(真ん中)
(4)株式・財務・キャッシュフロー欄(真ん中から左)
(5)株価、資本移動(真ん中から左)
(6)業績(左下)
(7)フェイスマーク(欄外右)
(8)株価チャート(欄外上)

(カッコ内は掲載箇所)

(1)会社名・銘柄コードの確認

会社名や住所など、基本的事項が掲載されている。株を取引する際に必要な4桁の銘柄(証券)コードや、上場している市場は必ず確認しよう。

(2)業績予想記事・材料記事

発行元である東洋経済新報社記者の取材に基づいたコメント記事などが掲載されている。流行のコメントやポジティブなコメントには株価も反応しやすいので、必ず確認しよう。

(3)株主欄・役員・連結子会社

どのような大株主がいるのかは必ず確認しておこう。たとえば、業績が将来悪化した時などに大株主が株式を売却する恐れもある。

(4)株式・財務・キャッシュフロー欄

企業の財務状況や、稼ぐ力などが掲載されている。ファンダメンタル分析の代表的な指標としてPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)が挙げられるが、欄外上部に表示されているのでいっしょに確認しておこう。株主優待の有無も掲載されている。

(5)株価、資本移動

株式分割や増資の状況などがわかる他、株価の高安などもわかる。参考までに確認しておこう。

(6)業績

企業の売上や利益、配当金など、過去から現在、そして将来の数字が掲載されている。将来についてはさすがに予想の数字になるが、その数字を織り込んで株価は動くので、時系列で数字の動きを確認しておこう。

(7)フェイスマーク(欄外)

企業名の欄外に、様々な情報を総合的に判断した「にこちゃんマーク」が表示されている。悪いマークよりも良いマークの方が当然いいので、確認しておこう。

(8)株価チャート(上部)

欄外に、4年ほどの中長期的な株価チャートが掲載されている。株価が過去どのような株価動向だったのか確認しておこう。

このように、会社四季報には、企業に関する様々な情報が掲載されている。

銘柄探し3つのポイント

私たちが投資先を選ぶ方法としては、①身の回りにある身近な企業から銘柄を探す方法や、②財務状況もよく業績も悪くはないのに、本来あるべき価値よりも株価が安くなっている銘柄を探す方法、③成長性があり、業績も好調なのに、株価が安く評価されている銘柄を探す方法があるだろう。

投資先を選ぶ時、知っていることで安心感があるからか、つい知っている会社を選びがちだ。しかし、知っている会社は親近感があるだけで、業績や財務状況が良好だとは限らない。最近はネット上や企業ホームページからも様々な情報が収集できるようになっている。投資先を知るためにも、銘柄カタログである会社四季報を一度は見た方がよいだろう。

文・横山利香(国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe))/ZUU online

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