大手コンビニエンスストアチェーン「セブン-イレブン」のお弁当の一部「丼もの」のご飯が、容器の高さに対して半分ほどまでしか入っていないことが「底上げならぬ底下げ」「容量を多く見せる新手の手法」だとして一部で話題を呼んでいる。果たしてセブン側にそのような意図があるのか、専門家に聞いたところ、意外な理由が浮かんできた――。
原材料費やエネルギーコストの上昇を受けてあらゆるものの物価が値上がりするなか、コンビニも例外ではなく、久しぶりにコンビニに行ったところ価格の高さに驚いたという声も多く聞かれる。たとえばセブンの「おにぎり」類をみてみると、定番の「手巻きおにぎり」の「ツナマヨネーズ」は151.20円(税込み/地域によって異なる、以下同)、「炭火焼熟成紅しゃけ」は189円、「その他のおむすび」の「大きなおむすびバター香る海老ピラフ」は259.20円だ。「お弁当」類は、「明太のり弁当」は594円、「鶏唐揚げ弁当」は594円、「熟成肉のロースかつ丼」は626.40円、「牛と野菜の旨味 欧風ビーフカレー」は594円など、定番商品でも500円超えのものも目立つ。
多くのメーカー、小売店が値上げを余儀なくされるなか、消費者に商品を手に取ってもらうために、食品であればより美味しく、お得だと感じてもらうための努力をすることは当然だが、過去にはセブンの「中身多く見せ」がたびたび世間の関心の的になってきたことは事実だ。
有名なネタとしてあげられるのが「容器の底上げ」だ。過去、お弁当やパスタ、麺類などの容器の中央部分が盛り上がっている容器への疑問がSNS上で沸いたことは一度や二度ではない。これについてセブンは2020年9月にニュースサイト「WEZZY」の取材に対し「昨今の環境課題であるプラスチックごみ削減の目的で容器素材を薄くしており、強度を保つための設計であると同時に、レンジ加熱の際に中心まで温まりやすい形状にしております」とコメント。純粋にエコの観点に基づく取り組みだと説明している。
また、サンドイッチなどで陳列時にお客から見える前面に具材を寄せる「ハリボテ」が話題になったことも。21年の当サイト記事の検証では、確かにハムとレタスのサンドでは前方に片寄せされていたが、ファミリーマートとローソンの同類商品でも同様の事象が見られ、セブンのたまごサンドは全面にぎっしり具が詰められており、他社よりもお得感が強かった。
ちなみにセブンのサンドイッチをめぐっては、昨年末から今年初めにかけて「ツナサンドにツナが入っていない」という報告がSNS上で相次いだが、今年2月の当サイト記事の検証では、確かにツナの量が著しく少ないことが確認されている。
物議を醸したのが21年に販売されていた「練乳いちごミルク」だ。セブンはTwitter公式アカウントで「プルプル食感のタピオカと、ゴロッとしたいちご果肉のW食感が楽しめます」とPRしていたが、透明なプラスチック製のカップには帯状に「いちご」の果肉ピューレを表現する赤色の塗装が施され、さらにカップ底部にも果肉が沈殿しているかのような塗装がなされていた。これに「カップ詐欺」「優良誤認」だとの声が多数寄せられた。
このほか、21年には「塩むすび」の中身が空洞だという指摘が相次いだが、コンビニ他2社の同類商品でも空洞が見られ、やむを得ない製法上の都合が存在するとの見方も強かった。