胎児の手足に“現れて消える”謎の筋肉

今回、私たちの人間観さえ刷新する(?)衝撃の事実を発見してしまったのは、米ハワード大学(ワシントンD.C.)の研究チームだ。今月1日、英BBCをはじめとする多数の海外メディアが一斉に報じたところによると、発育過程にある胎児15人の身体に現れる変化について分析していた研究チームだが、胎児の手足に不思議な筋肉があることに気づいた。

胎児はトカゲの手をしている? “爬虫類筋肉”の名残が謎過ぎる
(画像=画像は「The Daily Mail」より引用、『TOCANA』より引用)

スキャン画像を見ると、中手骨や中足骨(手足の甲を構成する5本の骨)に、まとわりつくように小さな筋肉が形成されているではないか。その数は30にも及ぶが、だいたい妊娠7週目までに現れると13週目にかけて次第に減少し、誕生時には周囲の筋肉に吸収されるように消失してしまう。研究者たちは不思議な筋肉を「dorsometacarpales」と呼ぶことにしたが、四肢に同じ筋肉を維持し続ける生物がいた。爬虫類、つまりトカゲだ。

人類の胎児が、手足に爬虫類と同じような筋肉を持ち、それを失ってから生まれてくるという新たな事実について、研究チームを指揮したルイ・ディオーゴ博士は“進化の残骸”ではないかと考えている。2億5000万年前、私たちの祖先が爬虫類から哺乳類へと進化したことを物語る遺物、というわけだ。

なお、問題の筋肉を私たちが捨て去った理由について博士は、「親指をより器用かつ繊細に動かすために必要だったことではないか」と述べ、そのかわり他の指を動かすための多くの筋肉は手放すことになったと指摘。極めて珍しいケースとして、「dorsometacarpales」を一部維持したまま生まれてくる者もいるようだが、健康に支障のないレベルの解剖学的特徴、もしくは先天的奇形と見なすことができるとのこと。

胎児はトカゲの手をしている? “爬虫類筋肉”の名残が謎過ぎる
(画像=画像は「BBC NEWS」より引用、『TOCANA』より引用)

進化と選択、新たな事実が次々と

現在、地球上の哺乳類では、ネズミや犬も私たちと同じく問題の筋肉を持たない一方、猿や類人猿の足にはまだ残されていることが判明している。ということは、人間が猿とは異なり尻尾を捨て去っていたり、イルカやクジラの胎児に手足となるための「肢芽」が確認されているのと同じように、哺乳類とはいえ「dorsometacarpales」を維持するか、それとも放棄するかという進化の過程における選択があったのだろう。いずれにしても、博士が指摘するように、問題の筋肉はかつて私たちが爬虫類だったことの名残である可能性は高そうだ。

「現代の3Dスキャン技術があってこそ、このような筋肉を見つけることができました」
「これまで私たちは、(人間よりも)魚・カエル・ニワトリ・ネズミなどの進化について詳しく知っていましたが、今後は人間の進化について驚くような事実が判明するでしょう」
「まさしく、(人類の進化に関する)とてつもなくパワフルな実例が登場したのです!」(ディオーゴ博士)

オカルトを愛する身としては、全人類にレプティリアン(トカゲ人間)たる要素が……と思いたくなる実に胸アツな今回の研究成果だが、今後どんどん生物進化の謎が解き明かされていくという博士の言葉を信じ、さらに私たちのド肝を抜くような真実が発見されることを期待しよう。


参考:「BBC NEWS」、「Development」、ほか

提供元・TOCANA

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