自分の住んでる地域にとっては当たり前でも、他県の人からすると「マジで!」と驚かれる行事や食文化はどの地域にも一つや二つはあることでしょう。筆者の住む鹿児島にも必ずと言っていいほど驚かれる文化があります。
それは「鶏肉を生で食べる」という、食文化。いわゆる「鶏刺し(鳥刺し)」が当たり前に日常に溶け込んでいるのです。鹿児島県民なら「え?普通じゃないの」と思ってしまうことですが、他県民からは「危険!」「食中毒が!!!」「カンピロバクター-----!!!」と驚愕されるのです。まさかこれが異常だったとは……。
■ 鶏肉の加工には厳しい衛生基準が設けられている
と、いうのも本来鶏肉は生食厳禁の食べ物。カンピロバクターによる食中毒の恐れがあり、生で食べることはもちろんのこと、使用したまな板や包丁もしっかりと洗浄消毒を行う必要があると、厚生労働省も強く呼び掛けるほどですから、びっくりしてしまうのも無理はないでしょう。
ではなぜ鶏肉が生で食べられるのか?鹿児島県民の胃袋が特殊でとても丈夫……というわけでは決してなく、県が定めるガイドラインに準じた厳しい基準が設けられており、それをクリアした施設で調理されたものが、生食可の鶏肉として出荷されているのです。

ちなみに隣県である宮崎県でも同様の生食文化が根付いています。それももちろん、しっかりとした衛生対策を行っているからこそ。生産者や加工業者など、さまざまな工程において見えざる努力の果てに根付いた食文化なのです。
■ 郷土料理店だけでなくスーパーでも売られている鶏刺し
鶏刺しは郷土料理店などで食べられるのはもちろんのこと、スーパーでも鶏肉のコーナーに普通に陳列されているため、自宅で手軽に食べることも可能。街のあらゆる場所で、鶏刺しや鶏刺しの看板を見かけるのも、他県民からすればちょっと異常な光景かもしれません。


スーパーで売られているものは1パック300~400円程度と価格もとってもリーズナブルで、柄入りのパッケージに入っているのが一般的。むね肉やもも肉、スライスされた玉ねぎが添えられているものなど種類も様々です。
