VENEZUELA, GUAIDÓ TERMINA SU CARRERA PRESIDENCIAL. 08-05-2023.

グアイド暫定大統領の栄光は幕を閉じた

先月25日、ベネズエラのフアン・グアイド暫定大統領はひとり寂しく米国マイアミに向かった。彼が今後ベネズエラでマドゥロ大統領を政権の座から降ろす活動の主人公になることはないであろう。彼の栄光は3年余りで終焉を向かえた。

グアイド氏は2019年1月に国民議会の議長であったポジションを利用して暫定大統領に任命された。それはニコラス・マドゥロ氏が不正選挙で大統領に再選されたことに抗議する意味でもあった。グアイド暫定大統領への外国からの支持は即座に集まった。当時のトランプ米大統領の支持から始まって、世界60カ国余りがグアイド氏の暫定大統領就任を支持した。

2020年1月のグアイド氏のヨーロッパ訪問ではEU主要国であるドイツのメルケル首相(当時)、フランスのマクロン大統領、英国のジョンソン首相(当時)がそれぞれ個別に彼と会談を持って支援を約束した。

それから3年が経過したが、マドゥロ大統領を政権の座から引き下ろすことができないままになっている。その間に反対派勢力の中ではグアイド氏への指導力に疑問が持たれるようになっていた。しかも、グアイド氏が所属していた大衆意思党のリーダー、レオポルド・ロペス氏はスペイン大使館に長く保護されていたが、スペインに亡命した。その為、党内をひとつにまとめるリーダーが不在となった。また、ロペス氏に対抗するリーダーのひとりで、元大統領候補に2度なったことのあるエンリケ・カプリレス氏は公然とグアイド氏から離れて行った。

マドゥロ大統領を政権の座から降ろす前に、反対派勢力の方で分裂が生じたのである。

暫定政権の高額な予算が問題視されるようになった

しかも、昨年3月には暫定政権は安全と防衛のための予算として3500万ドルが組まれ、さらに追加で5000万ドルが承認されていたことが公然となった。これほどの高額な資金がなぜ必要なのか、またその使い道はどこなのかという疑問が持たれるようになっていた。しかし、この予算額は2017年までに米国の国際開発庁が反対派勢力に提供したおよそ6億ドルと比較するとその予算額は少ない金額である。