お金をふやしたいと考えるなら、できるだけ早くから投資を始め、お金のために働く生活から抜け出す必要がある。しかし、投資に不安に感じる人も多いだろう。投資をコツコツ始めるための「つみたてNISA」を活用してみてはどうだろうか。
つみたてNISAを活用した方がいい理由
つみたてNISAは2018年1月から始まった少額投資非課税制度で、文字通り積立てて投資をしていく仕組みになっているため、「少額でコツコツ投資を行いたい」「自分で投資タイミングを考えるのが面倒」という人には検討していただきたい制度だ。
つみたてNISAの年間投資金額は40万円と決められている。積立型で投資を行う仕組みのため、1カ月で換算すると3万3000円程度になる。範囲内で毎月の積立金額を設定して投資を行うことになる。
つみたてNISAの口座を利用して、その範囲内の金額で投資を行い、その投資金額から発生した利益に対しては税金が非課税になるというメリットがある。一般的に、株式などに投資をして利益が発生した場合には、通常であれば利益に対して20.315%の税金がかかる。ざっくり言うと、1万円の利益に対して2000円程度が税金になるわけだが、つみたてNISAの場合には、1年間の投資金額40万円から発生した利益に対しては、税金がかからないことになる。
たかだか2000円と思うかもしれない。しかし、税金として差し引かれるところをそのまま利益として受け取れるのだから、好きな風に使ってもよい。しかし、お金を増やすという観点で考えるのであれば、受け取った利益はそのまま投資に回したい。再投資を行うことで、投資の金額を増やすことができるようになり、投資の金額が増えれば必然的に利益も増えることにならからだ。
低金利の現状、複利効果を感じる機会は少ないかもしれないが、投資である程度の利回りが期待できれば、その効果を実感できるようはずだ。たとえば、1万円を10%で運用すれば1000円の利益になる。200円を税金で差し引かれたら手取りは800円になり、次の投資元本は10800円になる。10%で運用できれば1万2960円になる。しかし、すべてを受け取れた場合の投資元本は1万1000円になり、10%で運用できれば1万3200円になる。
さらに、つみたてNISAは積立型のため、最長20年間(口座開設期間は2018年から2037年まで)投資を行うことが可能になる。1年間の非課税投資額が40万円なので、20年間では総額800万円まで投資を行うことができる。つまり、800万円の投資金額から発生する利益に対して非課税にすることができるのだ。これから投資を始めるなら、非課税のメリットを受けられるつみたてNISAの口座を利用することを検討すべきだろう。
つみたてNISAのデメリット
非課税と聞けばオトクに感じるが、デメリットがないわけではない。つみたてNISAでは、購入した株や投資信託などに損失が発生しても、「特定口座」や「一般口座」の利益とは損益通算を行えないというデメリットがある。
投資用の口座として、NISA口座以外に、特定口座や一般口座がある。これらの口座で投資を行った場合には、税金の支払いは必要だが、株式投資などで損失が発生した時に他の金融商品などで発生した利益と、損失を相殺できる「損益通算」を行うことができる。つみたてNISAで損失が発生しても損益通算を行えないので、損失が発生したからと安易に売却できない点には注意が必要になるだろう。
さらに、つみたてNISAでは、長期の積立や分散投資に適していることがあらかじめ投資できる金融商品の条件に定められているので、あらかじめ定められた要件を備えた投資信託、ETF(上場投資信託)にしか投資を行うことができない。決められた金融商品以外に投資を行いたい場合にはつみたてNISAを利用できないので、投資先を選ぶことが難しいのであらかじめ絞ってあった方がいいという人しか利用できないだろう。
具体的な金融商品を知りたい場合には、金融庁のホームページの「つみたてNISAの対象商品」で確認することができる。随時金融商品は更新されているし、金融機関によっても取り扱い商品は異なる。自分が利用したい金融商品を取り扱っているのか、口座を開設する際には事前に確認しておきたい。
http://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html
つみたてNISAには、メリットもあればデメリットもある。しかし、お金をふやしたいと考えるなら、できるだけ早くから投資を始め、お金を貯めるために働く生活から抜け出す必要がある。これから投資を始める場合には、少額から投資を行えば損失が発生するリスクを低減することができるため、つみたてNISAを活用して投資を始めれば、投資に対する不安を少しでも低減できる可能性が高い。まずは無理のない金額で投資の一歩を踏み出してみてはどうだろうか。
文・横山利香(国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe))/ZUU online
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