■UFOは「スカイフック気球」だったのか?
午後5時前にマンテル大尉の遺体と戦闘機の残骸がテネシー州シェルビー郡で発見された。大尉の腕時計は午後3時18分で止まっていて、シートベルトがずたずたに細断されていた。
航空現象に関する国家調査委員会報告書の第3章によると、空軍の最初の評価はマンテル大尉が金星を追跡していたというものであった。実は数カ月前、パイロットが金星をUFOと見誤った別の事件が起こったことも影響していたようだが、しかし気象記録はそれを裏付けるものではなかった。

世界中の報道陣はマンテル大尉がUFOに乗ったエイリアンによって撃墜されたと結論づけて“UFO説”を煽り立てた。タイミング的にあの有名な UFO墜落事件である「ロズウェル事件」の半年後だったこともあり、ますます多くの人々がエイリアンの存在を信じるようになったのだ。
空軍捜査官はスロットルの位置と墜落の破片に基づいて、マンテル大尉は酸素欠乏に苦しみ、高度約2万5000フィートで気絶した可能性が高いと結論づけた。 機体は高度3万フィートまで上昇を続けた後、水平になり、最終的に高速で急降下して地面に激突したというのだ。
多くの人はマンテル大尉が追跡したのはオハイオ州の基地から放たれた当時の機密事項であった海軍の「スカイフック気球」ではないかと疑っている。この時期に海軍で行われた「スカイフック計画」として知られる極秘プログラムにおいて、スカイフック気球は情報収集のために使われる巨大な高高度デバイスであった。

ある専門家のウェブサイトによればスカイフック気球は最大で直径100 フィート(約30メートル)ほど膨れあがり、高度6万フィート(約1万8000メートル)まで上昇するという。このサイトは、気球がマンテル大尉の死の原因である可能性が高いと主張している。
少なくない専門家がこの説に肯いてはいるが、いかんせん物証が足りなすぎて今のところ肯定も否定もしようがないといえる。
またマンテル大尉の最後の断片的な無線の1つは、UFOの中に人物が乗っているのを見たという報告であるという指摘もあったり、彼の戦闘機は地面に衝突するよりも前に炎上して破壊されたことを示唆する別の報告もあるようだ。つまり撃墜された可能性もゼロではないというのだ。
今なお謎に包まれた75年前の未解決事件に今後新たな展開が待っているのかどうか気に留めておきたい。
参考:「dvids」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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