トーションビーム式サスペンションとは?

軽自動車からEVまで幅広く採用!トーションビーム式サスペンションのメリットとは?
マツダ 新構造トーションビームアクスル 2020年(画像=『MOBY』より 引用)

トーションビーム式サスペンションとは車軸式サスペンションのひとつで、コンパクトカーや軽自動車、ミニバンのリアサスペンションに使われることが多い懸架装置です。別名「トレーリングツイストビーム式」とも言います。

このサスペンションは、2本のトレーリングアームをトーションビーム(アクスルビームとも)という鋼の棒で繋いだ構造をしています。これをコイルスプリングとダンパーで懸架します。トーションビームはトレーリングアームのピボット位置か、中間で繋ぎます。中間で繋ぐものを「中間ビーム式」とか「カップルドビーム式」とも言います。

2本のトレーリングアームは前後の位置決め、トーションビームが横方向の位置決めをしており、構造的には非常にシンプルです。トレーリングアームはそれ自体がねじれて、元に戻ろうとする力を発揮します。ちょうど、雑巾を絞ったような感じです。独立懸架式のフロントサスに使われているスタビライザーと、基本的には同じ働きをします。

棒のねじれと戻ろうとする力を利用したサス

トーションビーム式サスペンションは、この力をバネの力として利用しています。

片輪が上方向に動き、もう片輪が下方向に伸びた場合、いわゆる逆相の動きをした場合、トーションビームがねじれて元に戻す動きをします。この動きがあるため、コイルスプリングは伸び代縮み代を残した状態となり、快適な乗り心地を維持した状態で走行できます。加えて、過度なロールを抑えるスタビライザーのような役割もします。

ちなみに、トーションビームの中にトーションバースプリングを内蔵しているものもあります。