その一方で、注目するべきは失敗の再現性である。筆者個人的には学ぶべきはこちらからだと思っている。その最たるものが犯罪行為だ。

昨今、全国的に強盗や詐欺で賑わせているが、一番割りを食っているのは末端の若者実行犯である。そもそも犯罪の99%は、メリットよりデメリットの方が明らかに大きい行為だ。犯罪をして得をするケースはほぼない。だからはじめからやるべきではないのだ。しかし、自分で考える力がなければ安易に流されて犯罪に手を染めてしまう。だが「犯罪は損をするからやらない方がいい」と知識として知っていれば確実に回避できる。

これは勉強法などでも同じことが言える。たとえば英単語を暗記する時に、一単語ずつ手で書いて覚えるとか、聞いてもさっぱりわからない状態でひたすら聞き流すとかは明らかに悪手である。人間の脳の機能性を度外視した勉強の期待値効果はゼロであり、その再現性はほぼ100%だ。つまり、こうした効果がない勉強法を一つずつ理解して確実に回避することで、たとえベストでなくてもベターな勉強法にはたどり着ける確率は高まる。

勉強でも投資でも、効果がまったくない愚かな方法を回避することには大きな価値がある。

賢くなくても幸せに生きられる

人生は極端に賢くなくても、幸せに生きることができる。それだけ世界は多様性を認め、セーフティネットも準備をしている。株のトレードで少ない元手から1億円を作ったり、起業してあっという間に月収1億円に達するような人物になれなくても、多くの人は幸せをつかむことはできる。

だがその逆に愚かなことをすれば人生はアッサリ不幸になる。等身大の幸せな人生を歩んでいても、犯罪に手を染めたり反社会的な行動をして悪評が立てば生きづらくなる。失敗すると一発で人生退場アウトな「やらなくてもいい余計なこと」を控えるのはとてもインパクトがあるのだ。

今回の話は親が子供を育てる上でもアプライできると思っている。「公務員は安全パイだから」とか「有名大学に入れ」といった親の成功戦略を子供に伝えることは勧められないが、「犯罪はダメ」「薬物には絶対手を出すな」といった人生を棒に振るレベルの失敗パターンだけは教えてもいいと思っている。

■最新刊絶賛発売中!

[黒坂 岳央]のスキマ時間・1万円で始められる リスクをとらない起業術 (大和出版)

■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

■YouTube動画で英語学習ノウハウを配信中!