事件後、岸田首相襲撃の容疑者は、被選挙権の年齢制限、供託金制度などは違憲だとして、2022年6月、神戸地裁に提訴していたことがわかった。しかも弁護人を立てない、本人訴訟である。
政治や選挙制度に不満を持つ、それはあってよいことだと思う。そして彼は本人訴訟によって、真正面から国にぶつかろうとした。それだけの力があるのだ。
そんな青年が、なぜこんな凶行に走ってしまったのか。ほんとうに日本を変えようと思うなら、言論の力でとことん闘ってほしかった。発信の方法はいくらでもある時代なのに。若い学生たちを教えて来た身としては、とても、とても残念である。
編集部より:この記事は「田原総一朗 公式ブログ」2023年4月28日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。