一方、キーウ側は「モスクワのでっち上げだ」と非難。フィンランドの首都ヘルシンキで開催された北欧諸国のサミットに出席していたゼレンスキー大統領は、「我々はプーチンやモスクワを攻撃していない。私たちは自分たちの領土で戦っており、村や町を守っているだけだ」と述べている。ウクライナ大統領の顧問であるミハイロ・ポドリャク氏によると、「無人機によるクレムリン攻撃といったアプローチは戦場でウクライナに何の役にも立たず、より急進的な措置をロシアが取るように仕向けるだけだ」と説明しているほどだ。
著名なロシア専門家、インスブルック大学の政治学者ゲルハルト・マンゴット教授は、「ウクライナ側のデモンストレーションの可能性が考えられるが、プーチン大統領を狙った暗殺未遂事件ではないだろう。なぜならば、プーチン氏はクレムリン宮殿にはめったにいないし、夜はクレムリンで休むことはないことをキーウ側も知っているからだ。西側メディアが『プーチン暗殺未遂事件だった可能性があった』と報じれば、ロシア側のプロパガンダに役立つだけだ」と指摘している。
同教授はまた、「技術的には、モスクワの偽旗(False Flag)作戦の可能がある。偽のビデオだ。祖国が危険にさらされており、戦争が差し迫っていることをロシア国民に明らかにすることで、ロシアの世論を掻き立てることができる。ただし、ロシアの防空システムがあまり効果的ではないことを認めることにもなる」と述べている。