サイズアップで安全性も充実、2代目XL20系(2003年)

FF化で近代的ミニバンとして一皮むけたシエナですが、1990年代に日本のRVブームでも苦戦したトヨタらしくデザインやパッケージ面ではまだ物足りないところもあり、2003年に2004年モデルとして登場した2代目シエナでは、初代の欠点潰しが入念に行われました。
日本での販売を考慮しないため、寸法は一回り大きく全長は5m超(5,080〜5,105mm)、全幅1,970mmへ拡大し、重量増加に対応しV6エンジンも3.3〜3.5リッター化。
これは単純なキャビンやラゲッジスペース増加にとどまらず、4WDでも3列目シートの分割可倒を可能にしたり、アメリカで標準的な建材サイズである4×8フィート板を積めたり、サイズの余裕を活かしてエアバッグなども充実して衝突安全でも有終な性能を発揮しました。
また、大型に伴う車格アップで内装や装備品の高級化も進み、JBLの10スピーカーオーディオシステム、DVDエンターテイメントシステムなど、子供の送迎で長距離を走るユーザーの満足度アップが図られています。
スポーティなデザインになった3代目XL30系(2010年)

全体的には2代目からの正常進化版へスポーティなフロントマスクが与えられ、ボディ寸法の拡大などは最低限に抑えられた3代目シエナ。
2代目以降の相対的な高価格帯以降から、3代目初期型では実験的に2.7リッター直4エンジンを搭載して燃費性能が優秀な廉価版も設定されましたが、やはりパワー不足で需要がイマイチだったのか、2012年モデルまでの搭載にとどまっています。
スマートフォン連携タイプのナビ/オーディオシステムや、大型スクリーンなど後席エンターテイメントシステムの充実化、足腰に難点があって乗降が容易でないユーザーのための電動昇降リフトアップシートの装備なども、ミニバンとして充実度を高めたポイント。
末期には安全運転支援パッケージ「トヨタ セーフティセンス」の装備や、6速ATも8速AT化されています。