海外で一番知られている日本の産業は何かと聞けば、2-30年前なら自動車、家電だったかもしれません。残念ながらもう、その2つの名前は上がってこないかもしれません。今ならラーメンとアニメではないかと思います。では、流行に敏感な北米の西海岸にいるお前から見てその2つの先行きはどうなのか、と言われればラーメンについては飽和状態で、アニメはうかうかしていられない、と言うのが私の見方です。

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海外の日本食について一言だけ述べます。30-40年前まで北米のB級グルメとしてピザ、ハンバーガーという両横綱が君臨する絶対社会において寿司、しかも巻きずし(ロール寿司)が殴り込みをかけました。しかも海苔という黒い物体が白人に浸透していなかった時代、カリフォルニアロールという裏巻きが圧倒的人気を誇り、ピザ、ハンバーガーと並び、寿司は三大お手軽フードに育ちました。

日本で寿司といえば握り寿司がイメージだし、高価な感じもします。こちらではあくまでもロールが主体で中身は様々です。またテイクアウトの寿司チェーンも乱立していますが、非日系がほとんどです。大きな入れ物に巻きずしが30個とか50個入ったパーティートレイがちょっとした集まりでよく出てきます。

その後、北米では居酒屋ブームがしばらくあり、それが沈静化してラーメンが流行っているのが流れです。私がラーメンは飽和状態と申し上げる理由はピザ、ハンバーガー、巻きずしに共通する手でさっと食べられるというハンディさがないからです。ただし、レストランでちゃんと食べるというほどかしこまっているわけではなく、カジュアルさでは優位にあると思います。

ラーメンの弱点は豚肉が宗教的理由及び菜食主義者にダメな方が多いのです。それらの方はスープにブタの背あぶらなどが入っていてもアウトでここをどう乗り越えるかが次のチャレンジでしょうね。

ではアニメです。私どもはカナダに於いて正規輸入ルートで日本の書籍販売をしています。別に専売権ではないので誰でも参入できるのですが、返品が出来ない海外の書店ビジネスなど経営的に難関の極みなので私どものように小規模で極小スタッフで廻すしか生き残れないのです。そんな中、アニメに関しては注目度が高まっており、関連グッズも含め、販売しています。