しかし、これを見て感じたことがある。投票したい政党や候補者を選んで投票するように求めるから、投票率が上がらないのではないか! かつてのAKB総選挙や「グルメ総選挙」を謳うテレビ番組によって、多くの人々に「選挙=最善の選択」が刷り込まれてきた。
それでは、掲げる政策のすべてに同意できる政党が果たして存在するだろうか。最善な政党は存在するだろうか。ある政党の政策Aには同意するが、Bには賛同できない。別の政党の掲げる政策Cは支持できない。こうして×をつけていくと、どの政党にも投票できなくなる。
日常生活では店舗や商品について「次善」を選択する機会が多くある。政党や候補者も「次善」を選べばよいのだ。無党派ながら投票所に出向く人々は、実際「次善」を選択しているのだから。
中学校の教科書(帝国書院・公民)には「若者の投票率が低いと若者の意見が反映されにくくなる」と政治参加の重要性は書いてあるが、それではどうすべきかが書いていない。
もっとも好きな候補を選ぶ以外に、気に入らない点もあるが「まだまし」と選択するという方法もある。このように多様な選択方法があると子供のうちに教育すれば、中期的に投票率を向上できるだろう。
世論調査も支持政党を聞くのではなく、不支持政党を聞くようにしたらどうか。ついでにその理由も聞けば、なぜ不人気なのか政党も理解できる。それが政党改革のきっかけになるかもしれない。
憲法記念日にあたり、低投票率のトレンドを逆転させるように、大胆な発想転換を提案する。