今夜21時からの『クレイジージャーニー』(TBS系)は、アリコレクター・島田拓が登場!”世界最古の森”といわれるオーストラリアの熱帯雨林を舞台に、超危険なアリ探索の一部始終が放送される。

2018年、マレー諸島・ボルネオ島にて、新種の”自爆アリ”が発見されたというニュースが話題に。実は自爆アリの存在は1915年に確認されていたが、個体間の戦闘の末、自爆攻撃を繰り出す種に限定されていたため、今回の調査で初めて、集団を守るために自爆防衛を行う種類が発見された形だ。これは自然界でも極めて稀な例で、ハチなどの社会的な生物種にのみ見られる行動だという。

小さな生き物の代名詞であるアリが、生まれ育った社会を守るべく自爆する習性を持っているというのは何とも興味深い話である。このニュースを報じた際の記事を再掲する。

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※ こちらの記事は2018年5月16日の記事を再掲しています。

自らが属する組織を命がけで守るアリが発見された――。侵入してくる敵に立ち向かい自爆攻撃であの世へと道連れにするのだ。

究極の自己犠牲で巣を守る“自爆アリ”が発見される

5人の命を救うために、1人の命を犠牲にするのかどうかを問う思考実験はご存じ「トロッコ問題」だが、自然界はそこに新たな解決策を提案してくれるようだ。それは、判断を下す当人がトロッコもろとも“自爆”し、6人全員を助けるという究極のオプションである。この驚くべき自己犠牲をやってのけるのが今回新たに発見された“自爆アリ”である。

巣を守るために「自爆」する“特攻アリ”が存在! 自己犠牲の意味とは?
(画像=画像は「Daily Mail」より引用、『TOCANA』より引用)

森林において太陽光線を直接的に受ける高木の枝葉が茂る部分を林冠(forest canopy)と呼ぶが、マレー諸島・ボルネオ島の森林の林冠で、新種のアリが発見されたことが先日発表されている。オーストリア・ウィーン自然史博物館をはじめとする国際的な研究チームが発見したこのアリは、なんと“自爆アリ”だったのだ。

「Colobpis explodens(コロブピス・エクスプローデンス)」と名づけられたこの究極の“働きアリ”は、巣に侵入してこようとする外敵に立ちはだかり、“自爆”して有毒な黄色い体液を敵に浴びせて侵入を阻止するという、涙ぐましくも痛ましい自己犠牲を行う習性があるのだ。

カレーの香りがするという黄色い毒液は、“自爆”の前にアゴの後ろの部分から大量に分泌される。そして腹筋を収縮させることで体内に圧力を加えて体表を破裂させ、この毒液をぶちまけるのである。黄色い毒液はノリのようにべたついていて、敵の身体に強力に付着してダメージを与えるということだ。

生まれ育った社会のために自らの命を投げうって外敵の侵入を阻むアリが自然界にいたとは驚くばかりだ。

巣を守るために「自爆」する“特攻アリ”が存在! 自己犠牲の意味とは?
(画像=真ん中の個体が“自爆”し黄色い毒液が撒かれた 画像は「ABC News」より引用、『TOCANA』より引用)