人生には精神的余裕が必要
筆者もまだまだ出来ていないことは数多くあるので、人様にえらそうなことは全く言える立場ではないが、それでも昔に比べて精神的にはかなりの余裕を持つことが出来たと思う。結果、QOLはかなり高まったと感じる。
ここからは精神的余裕には、時間と経済的余裕が必要だという事例を紹介したい。自分のビジネスで食べていく経営者やフリーランスなら誰しも経験があると思うが、駆け出しの頃は取引先の数が少ないのでどうしても相手の一挙手一投足に精神的負担を感じてしまうことは少なくない。「もしも今買ってくれているあのお客様の仕事がなくなってしまったら…」と。今は売れていても、数少ない取引先がなくなった瞬間から経済的余裕が消えると思うと不安はずっとつきまとう。結果、QOLは下がってしまう。
知人のIT関係のフリーランスはクライアントからの電話連絡が気になりすぎるあまり、街を歩いていても人と会っていても常にスマホを握りしめるクセがあり、ブルブルと振動したらツーコール以内に出てすぐ対応するといっていた。遊園地デートでジェットコースターにのっている時もスマホが振動した気がして、全然楽しめないとも。これは辛いし、本来は楽しいはずの余暇時間も楽しさを感じることができないのではないだろうか。
しかし、ビジネスがある程度軌道に乗ってきて取引先の数も増えてくれば、気持ちの余裕も生まれる。目の前のお客様一人を逃すと今月の生活が困窮するということだと相手の迷惑を考えないハードセールスをしてしまう人も、余裕が生まれれば「こちらからは無理な押し売りはしないので、もしも気が向いたらどうぞ」という控えめな姿勢になる。
その余裕ある姿勢に、これまで押し売りばかり受けて嫌気していたお客様も「必死な売り込みがない点が印象がよかった」と買ってくれるケースもあるはずだ。ビジネスを販売する側も不快な売り込みをする必要がないので、お互いWin-Winの関係を構築できるだろう。