アステカとマヤに関連付けられた“都市伝説”なのか
科学的な検証によってクリスタルスカルはグラインダーなどのロータリーツール(回転工具)を使って形成されたことが明らかになっている。
また組成を詳しく調べたところ、マダガスカルとブラジルでのみ発見されている緑泥石の含有物があり、コロンブス以前のメソアメリカでは入手できないものであることも示唆されている。

研究ではまたスカルが19世紀にドイツで作られたことを示唆しており、おそらく石英の工芸品を作ることで当時有名だったイダー=オーバーシュタインにある工房で作られた可能性が濃厚となっている。
1900年にボバンはパリで開催されたアメリカニスト民族学科学会議で講演を行い「ロッククリスタルと呼ばれるコロンブス以前のスカルの多くは、ほとんど検知できないほど巧妙に作られ、本物であると断定されています」と述べている。
1924年にアンナ・ミッチェル・ヘゲス(冒険家フレデリック・アルバート・ミッチェル・ヘッジスの養女)は、イギリス領ベリーズのルバントゥンにある寺院内でクリスタル スカルを発見したと主張しこれは「ヘッジスの水晶髑髏」と呼ばれた。
2008年の科学的な鑑定と分析により、ヘッジスの水晶髑髏は硬い研磨剤でコーティングされたロータリーツールで彫られたことが示され、近代に作られたものであると結論付けられた。
スミソニアン博物館の研究者はこのスカルは「大英博物館の頭蓋骨のレプリカに非常に近く、ほぼ同じ形状であるが、目と歯がより詳細にモデル化されている」と述べている。

最近では、クリスタルスカルがスミソニアン協会に匿名で郵送され、19世紀にメキシコ大統領を7期務めたメキシコの将軍であり政治家であるポルフィリオ・ディアスのコレクションからのものであり、アステカ起源であることが主張された。
しかしこのスカルも1893年から大量生産された研磨剤である炭化ケイ素(SiC)を使用して形成されたことが判明した。
これまでに調査されたクリスタルスカルは、古代文化への関心が高まっていた19世紀半ば以降になって、ほぼ確実にヨーロッパで製造されたものであるとされている。
またメソアメリカやその他のネイティブアメリカンの物語に関連する古代の文書や神話、民間伝承には特にクリスタルスカルについて言及しているものはなく、明らかに19世紀なってから創作されたアステカとマヤに関連付けられた“都市伝説”との見解が主流であるようだ。
とはいえ現在博物館に展示されているものだけがクリスタルスカルではないことも確かだ。ビジュアル面からも魅力的なオーパーツであるクリスタルスカルについての続報を今後もチェックしていきたい。
参考:「HeritageDaily」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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