ではどうするか。具体的には以下の3つですね。

1. 辞めてもらう

ど真ん中直球勝負かつ最も効果抜群なのはリストラで辞めてもらうことですね。数年前から赤字でもないのに早期退職募集(いわゆる黒字リストラ)する企業が話題となっていますが、まさにこのパターンです。

フォローしておくと「人手不足なので贅沢言わなきゃ再就職はできる」「さすがに本人達も70歳まで人生を消化試合にはしたくない」といった理由で、手を挙げる人は少なくないです。

2000年代によく行われていた「手を挙げるまで圧迫面談」みたいな悲壮感は全然ないですね。黒字なので条件も良いですし。

2. ジョブ化で処遇を見直す

更に新しいトレンドとしてはジョブ化もそうです。

「働かないオジサン」を働かせるのは至難の業です。でも処遇を今の働きぶりに応じたものに見直せばあら不思議!その瞬間から働かないオジサンは「ただのオジサン」に生まれ変わるわけですよ。

こうなると企業が煙たがる理由はゼロですね。人手不足の昨今、ただのオジサンは貴重な戦力として、若手と一緒に第一線で頑張ってくれることでしょう。

3. リスキリングで給料に見合った人材に底上げする

一方、処遇の見直しではなく、給料に見合った人材に底上げしようというのがリスキリングとなります。

ジョブ化で若手優秀層を抜擢はできても、中高年の賃下げはまだまだハードルが高いのも事実。となると、こちらの底上げに注目する企業は多いでしょう。

いずれにせよ、キャリアの後半戦をずっと消化試合のまま70歳まで面倒見るというのは非現実的なわけで、これから日本企業各社は社内にはびこる“消化試合”の一掃に血道を上げることでしょう。

個人的には2番と3番の組み合わせが主流になると予測していますね。

「ジョブ化で処遇は流動化させるし、人によってはそれなりの引き下げも行う。ただし、リスキリングで挽回の機会は与える」

個人としてはリスキリングをいかに使いこなして武器化するかが重要な視点となるはずです。

以降、 会社がリスキリングさせたい人、リスキリングがうまくいかない人 リスキリングは「やらされる」前にやっておけ

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Q:「外資で社外ユニオンに加入するメリットは?」 →A:「ユニオンに加入しても、その人の仕事が無いという事実は変わりません」

Q:「春闘で満額回答が続く理由は?」 →A:「インフレは一過性のものではないと考える企業が多いからです」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2023年4月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください