小林製薬のロングセラー商品である口中清涼剤「ブレスケア」。外出先でさっと口に入れるだけで口臭を抑えることができる手軽さが人気だが、同商品のTwitterの広告ツイートが物議を醸し、削除されたのではないかという情報が広まっている。「マスク外して、その息 大丈夫?」と書かれたイラスト広告には、電車内で女性の口から黄色い息が吹き出され、それが顔にかかった隣の男性が額に青筋を立てて迷惑そうな表情を浮かべるシーンが描かれている。このツイートに対し、「なぜ女が臭いみたいな絵に」「偏見を助長する」といった声があがっているのだ。そこで、小林製薬に事実を確認するとともに見解を聞いた。

「あったらいいなをカタチにする」というキャッチコピーを掲げる小林製薬は、「アイボン」「アンメルツ」「のどぬ~る」などの医薬品のほか、「ケシミン美容液」などのスキンケア商品、「サラサーティ」などの衛生雑貨品、「お部屋の消臭元」などの芳香・消臭・脱臭剤、「ブルーレットおくだけ」などのトイレ用芳香・洗浄剤、「かんたん洗浄丸」などの住居用洗剤、「熱さまシート」などの便利商品といった、消費者の生活に密着する幅広い分野にわたり数多くのアイディア商品を販売。経営理念として

<私たちは、一人ひとりの暮らしの中の見過ごされがちな「お困りごと」を発見し、今までにない「アイデアや技術」によって解決することで、健康で快適な生活の実現や、社会での活躍をサポートします>

と謳っており、商品群をみるだけでも、その考えが会社に浸透していることがうかがえる。

同社の経営は堅調だ。毎年コンスタントに売上高1000億円、営業利益200億円を記録しており、売上高営業利益率20%を維持する高収益企業としての顔を持つ。

「常に全社員から新商品のアイディアを募っているのが特徴で、同社のHPによれば、社員からのアイディア創出数は年間5万件以上にのぼる。実際に社員は誰でもアイディアを気軽に提案できる仕組みが社内で確立されており、ここまで社員の自発性と考える力を引き出すことを徹底している企業は珍しい。また、まだ競合他社が進出していない小さなニッチ市場を狙って新商品を投入する戦略に重きを置いているのもユニークな点」(製薬業界関係者)