ホンダZR-V e:HEV・Z 価格:389万9500円/マツダCX-5・XDスポーツアピアランス(FF) 価格:386万9600円 試乗記
2台はそれぞれのブランドのアイデンティティを凝縮した存在
ホンダZR-VとマツダCX-5は、どちらも両メーカーのSUVラインアップの主力だ。厳密にはガチンコのライバルといえない面もあるが、魅力たっぷりなのは間違いない。両車の共通点は「そのメーカーのエース級」であること。今回はその視点で比べてみたい。
CX-5はマツダのスカイアクティブ商品第1弾として2012年に初代が登場。現行モデルは2017年登場の2代目だ。登場から6年が経過するものの、マツダの世界販売台数の約3分の1、国内販売台数の5分の1を占める最量販車種である。それゆえに、実質的な後継車といわれるCX-60の登場以降も併売中となっている。
ZR-Vは激戦区といわれるコンパクト・クロスオーバーSUV市場に投入されたフレッシュモデル。昨年秋に発表したものの、発売は2023年4月に延期されている。基本コンポーネントをシビックと共有し、今後エースになることが約束されている1台である。
内外装はどうか? CX-5は見慣れた感はあるもの、魂動デザインは古さをあまり感じない。2021年の大幅改良でフレッシュさ、新たな魅力がプラスされている。インテリアも完成度が高い。デザインや質感は最新モデルと比べて決して負けていない。ただしメーター周辺やインフォテイメント系はそろそろリニューアルが必要だろう。
ZR-Vは最新モデルらしく魅力たっぷり。奇をてらうことのない直球勝負が印象的だ。エクステリアは、弟分のヴェゼルより元気でスポーティな印象。「ホンダのSUV」を感じやすい。インテリアはシビックと共通する部分もあるが、エクステリアとマッチしており、シビック以上に似合っている気がする。
どちらもユーティリティ性能はハイレベル。後席/ラゲッジを含めボディサイズに見合ったスペースが確保されており、ファミリーカーとしての実力はハイレベル。作りのよさも印象的だ。