知識や技術の複利効果
投資の世界では「複利」という重要な概念がある。端的にいえば利子に利子がつくというものだ。意外と見過ごされがちなのは、ビジネスの世界でも知識や技術には複利効果がつくという事実である。
筆者は20代前半で英語力を得た。その後は英検やTOEIC、TOEFLといった英語の試験だけでなく海外留学をしたり、外資系企業で働いた。今でも英語力を使って仕事をしているが、今の英語力は過去に得た英語というスキルに加えて、英語力を活用して磨いたビジネススキルや知識、実績が大変役に立っている。
過去の実績を見て、海外企業や翻訳会社など次の英語関連の仕事の依頼が来るというサイクルができている。そしてその実績を使えばその次の仕事も向こうからやってくる。これは投資で言うところの複利効果に似ている。
ビジネスの複利効果を持たせるには、時間を味方にするべきだ。英語力は何歳からでも手に入るが、英語力を活用して、知識、スキルを身に着けたり、仕事の実績を積み重ねるのはどうしても時間がかかる。逆を言えば、時間がかかることが参入障壁となるし、自分自身のブランド価値を高めてくれるとも言える。
この話は英語に限らない。プログラミングでも、法務でも会計でもどんな専門分野でも一日でも早く、スキルや実績をたくさん積み重ねることが重要だ。将来の自分がスキルや実績のレバレッジで効率的に生きるためにも、若い頃は多少ハードワークをした方が良いということになる。
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最終的に生き方は自由だ。ゆるく生きたい人の価値観も軽視してはならない。しかし、あくまで合理性だけを追求するなら、やはり人生前半の一時的でもいいのでハードワークに頑張る方が良いだろう。ハードワークは果実の育成に似ている。種をまき、水と肥料を与えることで年をとった時に果実をつける。だが種まきをしなければ永遠に実ることもないのだ。
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