マフラーの本数を増やすと何が変わる?

速さを求めるなら本数より……車好きなら知ってて当然?マフラーの意味とその役割
(画像=『MOBY』より引用)

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元々2本出しマフラーは、大排気量車に搭載されていたもの。排気量が大きくなれば、それに応じたパイプの太さが必要になってきます。しかし、かつては生産性や加工性の問題から大径パイプを作るのが難しかったため、本数を増やすことで対応していました。

こういったところから「大排気量車=左右2本出しマフラー」となり、いわば”高級車の証”になっていたのです。

しかし、最近のクルマでは、小排気量であっても左右出しのマフラーが採用されることがあります。マフラーを左右出しにすることには、どのような意味があるのでしょうか?

筆者知り合いの元ディーラースタッフによれば、「消音性能を高めるために、マフラーを複数本にするケースがあります。静粛性を高めるためにはサイレンサーを大きくしたいのですが、単純に大きくした場合、最低地上高の余裕がなくなってしまいます。

このときにマフラーを左右出しにすれば、サイレンサーを増やすことができるため、径を大きくした場合と同様の消音効果が得られ、最低地上高を稼ぐこともできるのです。

ルックス的には”パワフル”な印象を与えますが、実はクリアランスを確保し、消音性を上げる効果もあります。」とのこと。

マフラーの本数を増やすことによって、消音効果を高めて騒音対策を行いつつ、最低地上高を確保しているようですね。

最近のクルマではビジュアル面の要素も大きい?

速さを求めるなら本数より……車好きなら知ってて当然?マフラーの意味とその役割
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前述のように、最近では小排気量のクルマでも2本出しマフラーがありますし、センター3本出し、4本出しなど、本数のバリエーションも増えています。

先述のように消音効果を高めたり、最低地上高を確保する目的があったりもしますが、”ビジュアルアップ”の要素も強くなっているというのが実情です。

前出の元ディーラースタッフによれば、「マフラーはパフォーマンスを示すアイコンのような側面があります。やはり片側1本出しよりも、2本出し、4本出しのほうが『高性能』『高級』といった印象を与えられるのも事実です。

もちろん、排気効率を考えて本数を増やしていることもありますが、最近のクルマではデザイン面の要素も大きいと言えます。」とのこと。

一般車の中には、”見せかけ”の複数本マフラーのモデルがあったりもしますが、マフラーは視覚的に「走り」のイメージに大きく関わってくる部分。本数を増やせば、ダイナミックかつスポーティな印象を与えることができるのです。

このように、マフラーは機能面だけではなく、エクステリアにおいても重要な役割を果たしています。マフラーの本数を増やすことで「普通とは違うクルマ」であることを示し、通常モデルと差別化できると言えるでしょう。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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