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どんな歴史がある展示かと思いきや、有名人のサインかっ!
最初は確かにミッドシップだったから「MRワゴン」
ワゴンRの先行開発的な軽スペシャリティカー
日産へ「モコ」としてOEM供給するも、スズキは独自路線
どんな歴史がある展示かと思いきや、有名人のサインかっ!

車名だけ見ると「ん?ミッドシップ」と思ってしまいそうだったスズキのMRワゴン。
軽自動車へ本格参入した日産が、日産ブランドでは初めて販売する軽自動車第1号としてOEM供給され、「モコ」の名で売りさばいたため本家より有名になったおかげで「日産へ供給するついでに売るクルマ」のようなイメージがつきました。
しかし少なくとも初代はワゴンRで採用される装備を先行販売するような役割を担っており、また5代目セルボの前身として軽スペシャリティカー的な一面も持っています。
スズキ歴史館でも一応はその歴史的役割を認識して展示…と思いきや、「当時スズキが提供していたラジオ番組に出演した野球界のスター、長嶋 茂雄氏と星野 仙一氏の直筆サイン入り!」を記念した展示のようです。
今回はそんな、スズキでも何となく扱いが雑な気もする?初代MRワゴンのお話。
最初は確かにミッドシップだったから「MRワゴン」

東京モーターショー1999へ出展された、コンセプトカー時点での「MRワゴン」は確かにミッドシップ・リアドライブのMR車で、後席後方床下にエンジンを積み、後席ドア直後の左右にエアインテークまであり、少し床面が高い二重底っぽい見かけでした。
初代スマートフォーツーやメルセデス・ベンツAクラスが出た頃ですし、将来的には(日産 ルネッサEVや、後の三菱 i-MiEVのように)床下へバッテリーを積んでEV化も視野に入れたクルマなのかな…と思ったものです。
軽自動車サイズの中で、エンジンを後部フロア下に搭載したミッドシップレイアウトとロングホイールベースを採用することにより、ひろびろとした室内と荷室スペースを備え、さらに内装は上質な家具をイメージさせ、また外観にはのびやかな印象を与えるスタイリッシュなデザインを採用した新しい軽ワゴンの提案です。
スズキ公式「第33回東京モーターショーへの出品概要」より
なんて、もっともらしい説明をしていましたが、実際は短いボンネットの下へちゃんとエンジンが入るFF車として設計されており、リアにはエンジンなど載せずにリアシートスライド機構を組み込んで広い室内空間を実現、MRは「マジカル・リラックス」の略へ。
ある段階までは本気で、どこからかFF車へ転換したのか、それとも最初からその気だったかはわかりませんが、発売されてみればフツーに「ワゴンRのガワ違い」みたいなクルマでした。