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テロリズム称賛発言

安倍晋三元首相の暗殺事件をめぐって「何ら一矢報いることさえできなかったリベラル市民として、せめて暗殺が成功して良かった」と発言して炎上した島田雅彦氏は『夕刊フジ』の質問に回答する形で反省の弁を述べましたが、その内容は「誤解」という【被害 damage】を社会に与えたことについては認めたものの【責任 responsibiliy】については認めない典型的な【弁解 excuse】と言えるものでした。

テロの成功に肯定的な評価を与えたことは公的な発言として軽率であったことを認めます。殺人を容認する意図は全くありませんが、そのように誤解される恐れは充分にあったので、批判は謙虚に受け止め、今後は慎重に発言するよう努めます。

「暗殺が成功して良かった」という島田氏の発言は、言論に対する暴力的封殺であるテロリズムの結果を肯定する発言であるばかりか、人殺しを称賛するものでした。この簡潔な主張に「誤解」を招く余地など存在せず、「慎重に発言するよう」努めたところでその内容は変わるものではありません。島田氏はすぐに弁解を開始します。

ただ、安倍元首相襲撃事件には悪政へ抵抗、復讐という背景も感じられ、心情的に共感を覚える点があったのは事実です。山上容疑者が抱えていた旧統一教会に対する怨恨には同情の余地もあり、そのことを隠すつもりはありません。

さらに政権と旧統一教会の癒着を暴露する結果になったのも事実です。今回の「エアレボリューション」での発言はそうしたことを踏まえ、かつ山上容疑者への同情からつい口に出てしまったことは申し添えておきます。