【筋トレ1分コラム】ダンベルフライでの負荷の乗せ方!ポイントは肘
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

ゴールドジムアドバンストレーナーでボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手がトレーニングをひも解いていくIRONMAN誌の人気連載『トレーニングアップデート術』から、1分で読めるトレーニングワンポイント解説を紹介するこのコーナー。今回は「力学」にフォーカスしていきます。

力学を考慮すると、ダンベル、バーベルを用いた動作には注意点が必要になってきます。

プレス系種目では、よく「(負荷を)乗せる」という感覚的な表現が用いられます。ダンベルフライなどの種目では、解剖学的には肘を伸ばしたほうが筋肉はストレッチします。ただし、これをダンベルを持った状態で行うと、肩や腕に負担がかかってしまいます。前腕が地面の鉛直上に近い状態で肘を下げないとグリップに力が入り、「乗せる」ことができません。

さらに、収縮ポイントで胸の内側まで刺激を求めようとすると、力は鉛直ではなく「横の動き」に入ります。胸に収縮感はありますが、力学的には重力がかからないため強度が弱くなります。内側を狙いたいときはペックフライなど、内側に絞り込むようなマシンをチョイスしたほうがいいでしょう。

■プレス、フライ系種目の「乗せる」について
ストレッチポジションのOKとNG
OK
前腕が地面の鉛直上に近い状態で肘を下げないとグリップに力が入り、主導筋に「乗せる」ことはできない。力学の側面から考えると肘は伸ばさないほうがよい。

NG
ダンベルフライなどの種目では、解剖学的には肘を伸ばしたほうが筋肉はストレッチする。しかし、これをダンベルを持った状態で行うと、肩や腕に負担がかかってしまう。

収縮ポジションのOKとNG
OK
力学的に重力がかかり負荷を与えるのは上腕が鉛直上にくるポジションまで。内側を狙いたいときはペックフライなど、内側に絞り込むようなマシンをチョイスしたほうがよい。

NG
収縮ポイントで胸の内側まで刺激を求めようとすると、力は鉛直ではなく「横の動き」に入る。これでは力学的に重力がかからないため強度は弱くなる。

鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。

取材:藤本かずまさ 構成:FITNESS LOVE