目次
海外フリーランスのお仕事獲得方法
海外フリーランスのよくあるQ&A

海外フリーランスのお仕事獲得方法

ルイス前田:
これも一般的なフリーランスや副業と同じですね。知人や友人からの紹介、フリーランス・副業向けマッチングサービス、クラウドソーシングサービス、SNS経由などで仕事を獲得していきます。

海外フリーランスだからといって特別なことはあんまりないんですよね。現地の仕事を獲得しようとする人もあまりいません。これは、報酬が現地の物価基準になるので、日本の案件より割安になりやすいためです。

オーストラリアなど日本より生活費・物価が高い国なら現地での仕事を獲得するのも良いと思いますが、アジアや南米などであれば日本の仕事をしたほうが収入を考えると効率的。現地の仕事も楽しいんですけどね。

泉:
海外フリーランスとして仕事をするうえでの注意点などはありますか?

ルイス前田:
海外に滞在していることを、事前にクライアントに共有しておくのは絶対ですね。打ち合わせの時間を配慮してくれたり、海外や旅に関連した仕事を依頼してくれたりする場合もあるので。海外に興味ある方であれば、雑談も盛り上がります。

あとは、「Facebookを積極的に利用しろ!」ということですかね。

泉:
なぜ、Facebookなんですか?

ルイス前田:
まず、Facebookは本名で登録する必要があるため、信頼性が高く仕事につながりやすいんです。僕は、Facebookに自分で握った寿司の写真を投稿していたところ、寿司職人の仕事をいただけました(笑)。

あとは、海外ではFacebookが標準的なSNSだからです。現地の友達ともつながりやすいですし、旅好きな人はだいたいFacebookをよく利用しているので、人脈も広げやすい。なので、海外フリーランスをやるならFacebookは絶対使うべきだと思います。

海外を旅しながらフリーランスで働く方法。『海外ノマド入門』著者が伝授
(画像=▲出典:ルイス前田『海外ノマド入門』扶桑社、『Workship MAGAZINE』より引用)

海外フリーランスのよくあるQ&A

海外フリーランスを検討している人が気になるであろう「海外フリーランスに適した国」「時差への対策」「結婚・子育て事情」を聞きました。

Q1. オススメの国はどこ?

泉:
海外フリーランスを始めるのに、オススメの国を教えてください!

ジョージア

ルイス前田:
文句なしにオススメできるのがジョージアです!

生活費が月5万円ほどで格安なのはもちろん、銀行口座も作りやすく賃貸マンションも借りやすい。比較的、行政面のサポートも整っていて、現地で法人を設立したいときも半日ほどで手続きできます。英語が通じるのでコミュニケーションも取りやすいですね。そして、アジアなどと異なり車やバイクの数が少ないので、とても静か。生活も仕事もしやすい環境です。

あえてデメリットをあげるとしたら、日本から遠いところです。日本との時差が5時間あるため仕事をするうえで少し慣れが必要なのと、直行便がないため帰国に1日以上かかることもあります。

とはいっても、身体が慣れてしまえば時差は問題ないですし、急に帰国する必要があることもそんなにないと思うので、海外フリーランスを考えている人は一度検討してみてください!

海外を旅しながらフリーランスで働く方法。『海外ノマド入門』著者が伝授
(画像=『Workship MAGAZINE』より引用)

バリ島(インドネシア)

ルイス前田:
ビーチや自然が好きな海外フリーランスに人気なのが、インドネシアのバリ島ですね。南の島でゆったり働きたい人はバリ島をオススメします。

生活費は月8万〜10万ほどとジョージアほどではないですが、安く済みます。なにより、バリ島の人ってめちゃくちゃ穏やかで優しいんですよ。温かい気温、豊かな自然もあって心が間違いなく洗われます。

不便なのは、エリアをまたいだ移動は渋滞が多い点です。首都ではないので、バリ島を拠点とした旅行がしにくいところくらいですね。

海外を旅しながらフリーランスで働く方法。『海外ノマド入門』著者が伝授
(画像=『Workship MAGAZINE』より引用)

バンコク(タイ)

ルイス前田:
タイのバンコクもオススメです。食事の種類が豊富で、大きなショッピングモールもあって必要なものはそこで揃う。電車もあるので移動も簡単。日本との直行便もあり約7時間くらいで帰国できる。Wi-Fiも高品質で仕事もしやすい。日本と同じくらい便利ですが、ちゃんと外国感もある環境です。

物価や生活費は年々高くなっていますが、それでもまだ海外フリーランスに向いている国だと言えますね。バンコクに1ヶ月ほど滞在して、海外フリーランスを試してみるのもいいかもしれません。

海外を旅しながらフリーランスで働く方法。『海外ノマド入門』著者が伝授
(画像=『Workship MAGAZINE』より引用)

Q2. 日本の企業と取引する場合、時差はどうやって乗り越える?

泉:
海外にいながら日本企業と仕事するとなると、時差が大変そうだな……と思うのですが、ルイス前田さんはどう対策されていますか?

ルイス前田:
僕は以下3つの対策をしています。

  1. 打ち合わせを減らし、チャット中心で仕事を進める
  2. 大きな締め切りがある時は時差が少ない国に滞在する
  3. 受託の仕事を減らす

それぞれ詳しく説明しますね。

対策1. 打ち合わせを減らし、チャット中心で仕事を進める

ルイス前田:
僕は時差・電源・通信速度を「三大ノマド障害」と呼んでいます。電源や通信速度は年々改善されていて、今後障害ではなくなると思いますが、時差だけはどうしようもありません。

僕は、クライアントに海外で働いていることを伝え、可能な限り打ち合わせを減らしてもらったり、打ち合わせ時間の時間を調整してもらったりしています。

ただ、受託の仕事を行う場合、打ち合わせは必ず発生するものなので、すべて無くすことは不可能です。打ち合わせ時間を調整してもらうのが現実的なのですが、時差が±5時間を超えると調整が難しくなります。

そこで、基本的には時差が少ない国に滞在するのがオススメです。具体的には、東はフィジー(+3時間)、西はジョージアやドバイ(−5時間)あたりまでですね。ジョージアの場合、日本が午前10時のとき、午前5時なので、早起きすればなんとかなります。

北中米も魅力的な地域ですが、時差が12時間前後になるので、海外フリーランス最難関の大陸といえるでしょう。逆にハワイまで行けば−19時間で、実質的な時差が5時間になるので、逆に楽になります。

対策2. 大きな締め切りがある時は時差が少ない国に滞在する

ルイス前田:
せっかく海外フリーランスをするなら時差に縛られずいろんな国に行きたい!という人がほとんどだと思いますので、折衷案もご紹介します。

それは「仕事がヤバいときは、時差が少ない国に滞在。余裕があるときは、遠い国に行く」という方法。半年間バリ島などで仕事を頑張って、残り半年はヨーロッパで余裕をもって働くといった、柔軟なペース配分をしていきましょう。これができるのも、海外フリーランスの特権だと思います。

対策3. 受託の仕事を減らし、自社事業を増やす

ルイス前田:
準備期間が必要ですが、受託の仕事を少しずつ減らし、自社事業に投資するのも、時差問題を解決するひとつの方法です。受託の仕事が減れば、打ち合わせも比例して減ります。

なかには自分でYouTubeチャンネルを運営したりしたり、アプリを販売したりして、自社事業だけで生活する人もいますね。

くわえて受託の仕事だけだと、いつ契約終了になって収入がなくなるか不安を感じる人もいると思います。コツコツと自社事業を準備しておくのは、フリーランスの生存戦略でもあります。

Q3. 結婚はできる? 子供はつくれる?

泉:
最後にシンプルな疑問なのですが、海外フリーランスって結婚できるのでしょうか? 結婚すると家庭を持つことになるので、あまり自由が効かなくなるのかなと思いまして……。

ルイス前田:
難しい質問です。個人差は大きく出るのですが、海外フリーランスは結婚しにくい働き方といえそうです。。
『海外ノマド入門』のアンケートでも、結婚している海外ノマドワーカーは27%で、半数以上の人が未婚でした。

僕も含めて、友人の海外フリーランスたちがコロナ禍での日本滞在中に結婚したのも「海外を転々としていく中では、関係が深くなりにくい」のかもしれません。

また、海外で日本人に会うことが少ないので、日本人のパートナーにこだわるなら出会いが少なくなります。ただしその分、海外で出会った人とは仲良くなりやすいです。海外フリーランスを行う同士で、価値観も似ていることが多いので。

泉:
たしかにそうですね。価値観があった人同士で結婚すれば、海外フリーランスも続けやすそうです。

あと、子育てはどうですか? 海外にいながらだと、子どもは育てにくいのかな〜と思いました。

ルイス前田:
少数派ではありますね。『海外ノマド入門』の調査では、子どもがいる海外ノマドワーカーは13%でした。

ただしなかには、夫婦ともにノマドワーカーで、子どもと一緒に世界を回っている人もいます。「海外転勤が多い夫婦」と同じ感じなので、意外となんとかなるそうです。インターナショナルスクールは世界各国にあるし、将来的には、オンライン教育を活用して海外にいながら日本の学校に通うこともできるようになるかもしれません。

海外を旅しながらフリーランスで働く方法。『海外ノマド入門』著者が伝授
(画像=▲出典:ルイス前田『海外ノマド入門』扶桑社、『Workship MAGAZINE』より引用)