ところでバイデン大統領がなかなか出馬表明をしません。本人はするつもり、と言っているのでタイミングを見ているだけなのかもしれませんが、もともとは23年初頭には表明するとしていたものがずれ込んでいます。真相は分かりません。表向きは民主党内に有力対抗馬がいないから急ぐ必要がない、とされています。前回の大統領選の時には20人以上が大統領選に名乗りを上げ、大乱立だったのに今回は打って変わって盛り上がらない感じです。それともバイデン氏に遠慮をしているのでしょうか?
同様にアメリカ共和党もまだ動きが鈍い気がします。トランプ氏人気に押されていることはありますが、出馬表明済みが4名、近々に手を上げそうな議員がフロリダのロン デサンティス氏やマイク ペンス氏など数名ですが、トランプ対ほかの候補という構図で今一つパッとしません。
この構図は日本の総裁も同じです。岸田首相はいよいよ足場を固めてきたな、という印象があります。最新の世論調査が朝日新聞系のANNで発表されていますが、岸田氏を支持するが前回から10.2ポイントも上昇しているのです。これは岸田氏の評価の見直しもあるのでしょうけれどほかに有力な候補がいないという点が更に後押ししていることもあるとみています。
私は会社の社長をやり、NPOの会長をやり、母校の役員もやっています。他にも様々なシーンでリーダーシップを見せなくてはいけないことは多々あります。やりながら思うことは周りとの温度差です。トップが舞台の上でサル芸をしているのではないか、と思うこともあるのです。それぐらい今、周りが覚めてしまっています。
私が考える理由は皆さん、裕福になったのではないか、という点です。裕福とは金銭的ではなく、日々の生活に適度に満足し、特段変化を求めないという意味です。苦しくないから改善させる必要もない訳です。私はこのブログを16年ぐらい続けていますが、何を好んで皆さんのご批判を毎日浴びているのか、お前はマゾか、と言われてもおかしくないですよね。尋常な精神の持ち主でこのレベルのコメントを見たら3日で萎えて止めると思います。ということは舞台に立つより観戦者して好きなことを言っていた方が楽に決まっています。当たり前です。それでも昔は「俺も、私も」という人はいたのです。今は「80歳になって大統領なんて忙しいし、いろいろ言われるし、したくないよねー、余生はのんびり好きにさせてもらうよ」が99.9%の発想だと思います。
議員や役員といった社会的意義を背景にした仕事は今後、もっとなり手がいなくなるとみています。不足気味とされる社外取締役も同様に見つけられなくなるでしょう。仮に今の倍の報酬になってもやりたがらないと思います。それは一方で、社会を支える重要な支えをなくすことです。最終的には皆さんの日々の生活に跳ね返ってくるのです。
皆さんのマンションの管理がどれだけ酷くなっても、お住まいの地域の環境がどれだけ悪くなっても文句は言えなくなるのでしょう。そして選挙によらない議員の増大ですから議員の資質は低下せざるを得ないともいえそうです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年4月19日の記事より転載させていただきました。