FW:鶴野怜樹(アビスパ福岡)

福岡大学からアビスパ福岡に加入したFW鶴野怜樹(22歳)。こちらも前述の泉と同様、2021年大学3年次生の9月という早い加入内定発表となった。

大学時代はケガが多くプレーできない期間も多かったが、2023シーズンからのプロ入り後は早期デビューに成功。ルヴァン杯第1節のアルビレックス新潟戦でスタメンデビューすると、背後への飛び出しから鮮やかな決勝点を奪取。J1リーグでも第5節の湘南ベルマーレ戦で途中出場し、終了間際の後半54分、裏への飛び出しからFW山岸祐也のゴールをアシストした。

その後、肩を強打し短期の離脱はあったが大事には至らず、継続的に出場機会を獲得している鶴野。守備の対応など改善の余地はあるが、瞬時の加速とゴール前での落ち着きは十二分に通用している。FWウェリントンらとともに途中出場からでも個性を発揮できる選手として、貴重な存在である。

また、鶴野の出身地である熊本県葦北郡津奈木町は人口約4,300人ほどの町であり、奈木町初のJリーガー誕生に故郷からの期待も大きい。


ジュビロ磐田 FW後藤啓介 写真:Getty Images

FW:後藤啓介(ジュビロ磐田)

ここで挙げた4人の中で最年少となるのがジュビロ磐田のFW後藤啓介(17歳)。プレーの舞台はJ2リーグであるものの、4選手の中で最多の得点数を誇っている。

後藤が下部組織時代からプレーしている磐田にとって、2023シーズンはJ1復帰を目指す大事なシーズンだが、FIFA(国際サッカー連盟)からの補強禁止処分などにより苦境に立たされている。3月21日には、1トップを張り続けていたFW杉本健勇が横浜F・マリノスへ期限付き移籍となり、さらに苦しいやり繰りが予想された。

しかし、後藤はその苦境をFW大津祐樹らとともに救う活躍を見せている。現役高校生ながらチームではトップ、リーグ全体でも5位タイの4得点を挙げているのだ。身長191cmの恵まれた体格を活かし、4得点中2得点はヘディングで奪取した。

その強みは高さだけではない。J2リーグ第5節、静岡ダービーでの清水エスパルス戦では、FWジャーメイン良の縦パスに反応し抜け出すと先制点。スピードとシュート精度の非凡な才能に加え、ゴール後に見せた渾身のガッツポーズで「ジュビロ愛」を見せつけた。様々な意味で大型のストライカーであり、日本サッカー界が長年待ち望んでいた存在だろう。このままその期待に応えられるか目が離せない。