Z世代が好むのは「自分モテ」ファッション

そんなZ世代が好むファッションは、一言で表現すると「自分モテ」ファッションだという。

「『こんな風に見られたい』という他人からの評価は優先順位の一番ではなくて、自分自身が心地良いかを大切にしている」と平山氏。「こだわりどころが謎と思えるところもある」のは、パッと見ただけではどこがすごいのか、違いがわからないような、あくまでも自分がこだわりに添った「レア感」を大事にするからだ。

「Z世代はプチプラファッションを積極的に取り入れ、人と洋服がかぶることは気にしない。一方で、一昔前の女性がこぞって夢中になった誰が見てもわかるようなブランド品には興味がなくて(もちろん一部興味を持つ人もいるが)、お金をかけるところには一人ひとりのこだわりが反映されている。見栄えや周りからの評価は気にしないのがZ世代らしさ」。

情報収集能力が高いZ世代は、安くてかわいい洋服を上手にリサーチしてどこで入手できるのかも熟知している。無駄なものにお金は使わず、たくさんの選択肢がある中で「なぜそれを選んだのか?」を大切にする。

SDGsの観点から、大量消費・大量廃棄にも厳しい目をもっている。サステナブルとは相反する「安さ」だけを謳った商品に対しても、営利主義に偏りすぎた商品であることをしっかりと見抜く目がある。

Z世代との付き合い方のおすすめは「選択肢の提示」と「To Youアドバイス」

Z世代の今とは? MERY Z世代研究所が教えるマーケティングに活用したいZ世代のリアル
(画像=『DCSオンライン』より 引用)

所長の平山彩子氏

Z世代のリアルな姿、声を、広く企業のマーケティング担当者に届けようと、同社のサイトが新たなマーケティングメディアとしてリニューアルオープンした。

「内容は堅苦しいものではなく『Z世代のカバンの中』や『Z世代の1日のスマホ利用術』など、生活のリアルがわかるような内容のものが多い」と平山氏は語る。

いずれも、マーケティング担当者にとってはなかなか見たくても見ることができない、知りたくても知り得ない情報ではないだろうか。Z世代の今、Z世代の本当の姿を正しく、わかりやすく伝えていく。

以前から、ファッションブランド、コスメブランドなどと協業し、商品企画のソリューション事業も展開してきた同社。今後も消費者マーケティングを活用した企業とのコラボレーションも進めながら、そこで得た情報、知見をメディアを通して発信していくことで、Z世代マーケティングの好循環を生み出すことを目指す。

最後に、平山氏から、上の世代がどのようにZ世代と関わればよいのかアドバイスをもらった。

「まずは、今見ている面は、彼、彼女の1面でしかないと思って付き合うこと。場や相手に合わせて上手にコミュニケーションができるので、悪気なく2面、3面を使い分けるのが当たり前の世代だと認識しておくべき」。

その上で、「情報を選ぶ能力に長けているので、選択肢を示してあげるとコミュニケーションは円滑に進みやすいと思う」と続ける。

さらに、仕事上の上司と部下の関係であれば、「『あなたの良いところはこういうところだから、もっとこうした方がいい』といった具体的なアドバイスが効く。企業の人事の方にも、Z世代には明確な『To Youアドバイス』が効果的だと伝えている」。

提供元・DCSオンライン

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