
2008年10月の日曜日、トスカーナ州のポルト・サント・ステファノという港町に行ってきました。ローマからアウレリア街道を北上すること190キロ、エトルリアの街タルクイニアを過ぎ、50キロ程海岸線に沿って車を走らせると、モンテ・アルジェンタリオへの道が分離します。このモンテ・アルジェンタリオは砂州が海の中に延びた先に島のように存在するのです。


実は、この島のようになった海に突き出た山は、別荘、避暑地としてイタリアでは有名なところで、その島の山際には、瀟洒な別荘が続き、海岸には、カフェ、シーフード専門のレストランなどが立ち並び、海辺でのんびり出来る素敵な場所なのです。
この海に突出た山があるところに、ポルト・サント・ステファノという洒落た港町があります。

(街の高い所にあるのが、スペインの砦です。)

最近では、2012年1月13日(金曜日)の午後9時42分頃(現地時間)、コスタ・コンコルディアがこの街の沖合のジリオ島付近の浅瀬に座礁したことでイタリアではこの街が度々報道されていました。やはり、座礁が13日の金曜日だったということでも注目されました。
この街の歴史は古く、古代ローマ以前のエトルリアの時代に遡ります。この街の沖の海底より、古代エトルリアの難破船の中に眠っていたものが引き上げられて、今は廃墟になりかけていたスペインの砦を博物館として改造し展示されています。
(スペインの砦の正面入口)

(スペインがこの街を支配した象徴の砦)

スペイン王家の支配が14世紀にイタリアに及んでいた時代に建てられた砦なのですが、この時代は、まだイタリアが小さな都市国家に分かれて戦っていたとき、新大陸を植民地支配したスペイン王家の武力に敵するわけもなく、スペインの支配に甘んじていたころの砦なのです。非常にシンプルな砦なんですが、ここからの眺望は素晴らしいです。入場料は6ユーロ、展示内容にしては高めですが、素晴らしい眺望も料金に含まれるそうです。しかし、La fortezza spagnolaというのがイタリア語の正式名ですが、そのホームページには入場料は2ユーロと書いてあるのだが??4ユーロが眺望料金だったのか??
(古代の貿易船)

