生きた化石の区分

「生きた化石」と聞いて思い浮かぶ生物は?実は全然珍しくないアイツも生きた化石だった!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

生きた化石の区分に関しては、ジョージ・ゲイロード・シンプソンが明文化した5種類の区分があります。

ここからはそれぞれの区分についてご紹介しますので、どんな区別があるのかをチェックしましょう!

数量的遺存種

太古の世界ではとても多くの個体数を誇っていたものの、現代では少数しか生き残っていないものを数量的依存種と呼びます。

例:ゾウ、バイソンなど

地理的遺存種

大昔に広い地域に分布していたものの、今では狭い地域に限定して生き残っているものは地理的依存種と言います。

例:日本のライチョウ・メタセコイアなど

系統的遺存種

数億年前からその姿形だけではなく、特性や特徴がほとんど変化せずに生き残っているものを系統的依存種と区分します。

例:シャミセンガイ・ゴキブリなど

分類的遺存種

ずっと昔には同じ分類をされていて多くの近縁種が存在していたものの、今は少数になってしまったものを分類的依存種と言います。 また、単一の近縁種しか生き残っていないものもそう呼びます。

例:サイ・バク・コセミクジラなど

環境的遺存種

過酷な地球環境に適応する生態を持ち、新しい生活環境に取り残されてしまった状態であってもその生態を保持しているものを環境的依存種と呼びます。

例:カスピ海のニシン・バイカルアザラシなど

覚えておきたい生きた化石達

「生きた化石」と聞いて思い浮かぶ生物は?実は全然珍しくないアイツも生きた化石だった!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

世界で知られているだけでも無数の生きた化石がいます。
恐竜は絶滅してしまいましたが、恐竜の時代やそれよりも遥か昔から地球にいながらほとんど変わっていない生きた化石は多々いるのです。

この項目では、その中でも覚えておきたいものをピックアップしてご紹介します!

カブトガニ(4.5億年前)

「生きた化石」と聞いて思い浮かぶ生物は?実は全然珍しくないアイツも生きた化石だった!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

カブトガニは4.5億年前から海岸付近で暮らしている生き物です。

カニという名前が付けられていますが、クモやサソリが含まれている鋏角類に分類されています。
そのため、甲殻類であるカニとは別の生き物です。

日本でも瀬戸内海などで見られることがあったようですが、近年は大気汚染や埋め立てなどの環境破壊によって激減しています。

シーラカンス(3.6億年前)

「生きた化石」と聞いて思い浮かぶ生物は?実は全然珍しくないアイツも生きた化石だった!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

数々の化石から白亜紀に大量絶滅したと考えられていたシーラカンス。

ところが、1938年に南アフリカ沿岸で発見された他、その後も1952年にはインド洋のコモロ諸島、1997年にはインドネシアのスラウェシ島近海で生きている姿が確認されています。
その姿から生きた化石と呼ばれています。

化石種と現生種の違いがほとんどないため、ずっとその姿形を保ってきた生き物だと言えます。
ただし、発見例が少ないこともあってまだまだ生態については不明な部分も多いです。

オウムガイ(5億年前)

「生きた化石」と聞いて思い浮かぶ生物は?実は全然珍しくないアイツも生きた化石だった!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

オウムガイは、5億年前から姿形が変わっていない生きた化石です。
現代では、6種のみがインド太平洋に生息しているそうです。

深海にいるイメージがありますが、実は水深800mよりも深いところでは水圧に耐え切れなくなって殻が割れてしまうのだとか。

その姿は、中生代のアンモナイトにもよく似ているのですが、オウムガイはそれらよりも古い古生代のチョッカクガイなどと共通の祖先を持つため、これまたかなり古い生きた化石と言えます。

クラゲ(5億年前)

「生きた化石」と聞いて思い浮かぶ生物は?実は全然珍しくないアイツも生きた化石だった!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

クラゲも5億年前から地球に存在する生き物です。
ほとんどが水分で構成されているために化石になることは困難だと考えられていたのですが、実際に近年はいくつかの化石も発見されています。

なお、ベニクラゲという種類は不老不死ともいわれる特性があることから、もしかするととんでもなく昔から途切れずに生き続けている個体もいるかもしれません。
・・・ロマンを感じますねぇ!

イチョウ(2億年前)

「生きた化石」と聞いて思い浮かぶ生物は?実は全然珍しくないアイツも生きた化石だった!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

植物の中でも太古から変わってない裸子植物となるイチョウ。
2億年前から地球に存在し、枝や種の化石も発見されています。

古生代〜中生代の頃には世界中に分布していたことが化石の情報からわかっていますが、現代では限られた地域でのみしか生き残っていないそうです。