昼前に、ブルックナーを俺様ティーレマンの指揮下で大熱演していたホーネックとシュトイデが率いてる。13時前に楽友協会での演奏が終わり、17時から歌劇場でトリスタン。すごい体力。
フルートとクラリネット、昼とトップ変わった?よくなってる気がする。木管が見えない席なのでわからない。弦、なんか人数少し少なくない?トロンボーン、足怪我してる。この時期よくあるスキー怪我?出番少ないので、壁にもたれてずっと寝てる。
オケピット見るの、たのし〜。
フィリップ・ジョルダンの指揮も素晴らしい。渦巻きうねる前奏曲に、海を感じるなぁ。冒頭からテンポよく飛ばす飛ばす。トリスタンたちを乗せた船の船足、速っ。最初から最後まで、端正かつ太さと美しい官能性に包まれたワーグナーの傑作に耳がとろける。
ジョルダンもやめちゃうね。魑魅魍魎うずまく、と昔から言われてきたウィーン国立歌劇場だけど、彼もそれにやられたのかしら。レジーテアター系演出に辟易したから、とニュースになってた。
今夜の演出はカリスト・ビエイト、まさにレジーテアター代表(笑)。去年春の新演出で、物議をかもしていた。悪評高かったので覚悟もしていたけれど、思ったよりは酷くない。ビエイトに期待してないし、数ヶ月前にパリで信じられないほど醜い演出の”サロメ”で免疫ついてたかな・・。
1幕ビショビショ。まあ、海&船が舞台だから。ワーグナー演出における水の登場はよくあるし、これくらいなら、ずぶ濡れシェーガー風邪ひかないでね、髪の毛乾かすの大変ねニーナ、と思うくらい。
2幕は、悪くない。ふたり別々の部屋に閉じ込まれて触れ合えないまま、愛と破壊が興奮の中で紡がれてゆく。情事が明るみに出て我にかえると、愛が破壊されたのが、ずたずたになった部屋の存在でわかる、という感じ(に私は捉えた)
2幕の血だらけ&3幕のはだかんぼうは、ビエイトだしワーグナーだし、もう諦めてる。
ジョルダンや他の指揮者が、今の演出スタイルを嘆くの、わかる。今日だって、水をパシャバシャさせる音、部屋の壁紙を破ったり家具を投げつける時の音などが、ワーグナーの神々しい音楽を邪魔してる。
とはいえ、歌手、オーケストラ、指揮者、作品は完全に好みの、極上オペラ時間。