<荒川区>元映画館の空間で“現代人の肖像画”を鑑賞
荒川区にある「元映画館」では、4月8日(土)~4月23日(日)の間、松山しげき氏による新作個展「ナルキッソスは水面を見続ける」を開催する。
個展名は、ギリシャ神話に登場する青年ナルキッソスの物語が由来だ。松山氏は、水面に映る自分の姿のあまりの美しさに目を離すことができなくなり、最後には命を落としてしまうナルキッソスに、スマホ画面に映る大量の情報に夢中になる現代の私たちの姿を重ねているという。
その同展では、松山の代表シリーズ『Portrait of dazzle』を始め、新作の絵画シリーズや新作の彫刻が鑑賞できる。
第一次大戦の頃に使用された“ダズル迷彩”を使用した作品で、国内外から注目を集めている松山しげき氏。
同氏はこれまで、ブログやSNSなどにアップされているセルフィーやスナップなどの顔写真をモチーフに絵画を制作。目元部分は、顔写真からビデオプロジェクターを用いて“目”だけを正確にトレースして描いている。
またその輪郭は、実際のモデルとした人物とは髪型や体型、性別や人種すら描き変えることで全くの別人物としている。
インターネットの匿名性と情報の不確かさを表現したまさに“現代人の肖像画”といえる作品だ。
ナルキッソスの顔を上げさせる(=私たちをスマホ画面から解放する)事の難しさを、美に昇華する至高のアート作品を体感してみては。
Shigeki Matsuyama 「ナルキッソスは水面を見続ける」
会期:4月8日(土)~4月23日(日)
会場:元映画館
所在地:東京都荒川区東日暮里3丁目31−18 旭ビル2F
現代アートによる新鮮な感性に触れられる展覧会や、大規模なポップアップイベントなどが開催される今週末。実際に足を運び、作品やアイテムの魅力を目の当たりにしてみては。
(IGNITE編集部)
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