2024年から新NISAがスタートする。これに伴い、非課税保有期間の無期限化、積立投資枠と成長投資枠の併用が可能で年間投資枠も拡大される予定だ。非課税で投資枠が増えるのは間違いなく歓迎すべきビッグニュースだが、「いくらから始めたらいいの?」「何を買ったらいいの?」などという悩みがあるのではないだろうか。そこで、そんな悩みを持つ方向けに投資の基礎知識をガイドする。
まず初心者は積立投資
資産形成の中心は、長期積立分散投資(定時定額積立)をすすめたい。
積立投資は、毎月同じ額を購入すると、投資信託の価額が低い時は口数を多く購入でき、逆に価額が高いときは口数を少なく購入していくことになるため、平均購入単価を抑えることができる。例えば、毎月3万円投資するとして、購入する投資信託の価額が1万円であれば、投資額が3万円だと3口購入できる。翌月、投資信託の価額が7500円となっていたら、4口購入できる。
この投資行動を長きにわたり粛々と続けていき、購入口数を積み上げていくのだ。
10年、20年と長期投資前提で始める
投資において最も大事なことは、いつ投資に回した資金を売却して利益確定をするかである。
株式市場の下落局面だと評価額がかなり少なくなってしまうものだが、慌てて売却するのは要注意。投資信託の価額が安くなっている時期なので、口数を多く購入でき、長期積立分散投資にとってはよい仕込みの時期でもあるからだ。たとえ「◯◯ショック」に見舞われたとしても、そのあと価額が戻ると予想できるものを選ぶことが大事だ。
初心者こそ10年、20年と長期で投資することを前提としよう。一時的に価格が下がっても、長く保有すればするほど、リスクを軽減する効果や複利効果が得やすくなる。
例えば、新しいNISA制度を活用して、毎月5万円を利回り5%で30年間運用できたとする。金融庁の資産運用シミュレーションによると、元本1800万円(NISAの非課税限度額)に対し、最終積立金額は4161万2932円となる計算だ。月々5万円が30年間という長い年月をかけて投資をすることで、約2400万円の利益を得られるのだ。