最後に

COBOLの過去、現在、未来について考察しました。COBOLは、多くの行政機関、金融、企業などの基幹システムで広く使われています。すべての人が日常生活で何らかの接点があります。今後も完全にはなくならず、適材適所で形を変えて利用されていきます。

天を支える苦痛に耐えかねたアトラスは、やがてメデューサの力で石となってその生涯を終え、アトラス山脈として現在も天空を支え続けていると言われてます(諸説あり)。現代の社会基盤のアトラス「COBOL」は今後どのようになるのか。

・利用継続 ・・・ COBOLシステムを頻繁に改訂する企業は、アトラスに引き続き支える役割を与える
・塩漬け ・・・ COBOLシステムを改訂せずに使い続ける企業は、アトラスを石化させる
・脱COBOL ・・・ 別言語に移ることで、アトラスの体は少しだけ小さくなる

アトラス「COBOL」は、一部が生身のままで、もう一部が石化し、本人の巨体も少しずつ小さくなっていきますが、今後も社会基盤を支え続けていきます。

<著者プロフィール>

東京システムハウス株式会社
マイグレーションソリューション部
部長

比毛 寛之
1999年、東京システムハウスに入社。COBOLシステムをはじめとしたデータ資産を別の環境に移行するITモダナイゼーションに長年携わり、2016年より現職。2021年よりOSSコンソーシアム理事を務め、基幹系でのオープンソースソフトウェアの活用も併せて推進中。

会社URL:https://www.tsh-world.co.jp/