1. いい面を見る

    大きな変化が起きると、大抵の人はネガティブな気持ちになるだろう。変化を受け入れるためには自分の過去の実績、行動、判断を否定しなければならず、新しい技術や知識をラーニングする必要性に直面するからだ。

    しかし、どんなものごとでもいい面、悪い面がかならずある。ChatGPTもたとえばExcelのマクロ職人のような仕事で極めて簡単な作業の一部は、職を奪われる可能性はある。だがChatGPTにどう指示していいか分からなかったり、難しい専門性の高いマクロについては「マクロ作成指示職人」として新たな生存戦略が確立できる可能性はある(少なくともしばらくは)。

    変化は常にチャンスとリスクが内包する。多くの場合、リスクばかりに目が向けられがちだ。しかし、リスク以上にチャンスも必ずあるはずだ。

    筆者は昔、屈辱的な形で会社からクビを言い渡されたことがある。当時はトラウマになってしまうほど心に傷を負った。しかし、長い目で見ればそのおかげで自分の市場価値やマーケットニーズを常に意識するようになり、市場感覚が深く身についた。それは今も生きている。塞翁が馬、変化はピンチ、そしてピンチはチャンスなのである。

  2. 苦しいのは自分だけではない

    人生、生きていれば様々な変化の中で、変化に由来する悩みに直面する。昔は経済力がなかったために、「お金さえあれば解決できるのに」「お金があれば悩みはなくなる」と経済力に立脚する悩みばかり持っていた。

    幾ばくかの蓄財を経た今、経済的な悩みは消えたが、その代わりにお金では絶対に解決不可能な課題だけがやってくるようになり、最近はそれについて日々悩んでいる。その悩みについて知人のビジネスマンに話をしたところ、その人物もまったく同じ悩みを抱えていることを吐露、それを聞いて一気に気が楽になったのを感じた。悩んでいるのは自分だけではない、と分かっただけでホッと気が楽になった。

    苦しさを感じた時はその悩みで検索するといい。そうすれば同じような悩みを抱えている人が必ず見つかる。

    先日聞いた話では、会社をバイアウトして十数億円の資金を得た起業家がファイナンスに由来する悩みで苦しみ、精神科医に相談したがあまりに内容が専門的すぎて解決に至らなかったという。だが、検索すると同じような悩みを抱える起業家が見つかり、同じく気が楽になったといっていた。

    世界は広い。世の中で自分だけ苦しんでいる悩みなどないだろう。探せば他にもいる。それをすることで根本的解決には至らないと言われるかもしれない。だが、少しは気が楽になることで、再び前へ進む活力を得られるのではないだろうか。

    以上3つが筆者が意識するメンタルの作り方である。

     

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