ベーグルの元祖といわれるパンがポーランドにあることをご存知ですか?ポーランド南部の都市、クラクフで今も伝統のレシピのもと、毎日手作りされている"Obwarzanek"(オブヴァジャネック)。歴史は中世、14世紀までさかのぼるとされており、ユダヤ系ポーランド人がアメリカに移住し広めたものがベーグルだといわれています。
今回は、今なお地元民、観光客に愛されるオブヴァジャネックをご紹介します!
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クラクフ名物Obwarzanek(オブヴァジャネック)
博物館で手作り体験
クラクフ名物Obwarzanek(オブヴァジャネック)

600年以上の歴史をもつObwarzanek(オブヴァジャネック)は、Obwarzanek krakowski(クラクフのオブヴァジャネック)ともいわれ、EUの原産地名称保護制度に認定されており、シャンパンやゴルゴンゾーラチーズのように、それぞれの地域で生産され伝統製法により手作りされたものでないと名乗れないものとなっています。オブヴァジャンキ(複数形)は主に写真のような青いカートで販売されており、クラクフ市内に150以上、一日の売り上げ総数は15万個ともいわれています!この膨大な量を認定された数少ないベーカリーが毎日手作りしているのです。

大きさは直径約15cm、厚さ約3cmで、ずっしりとした重みがあります。トッピングは塩、ケシの実、ごま、チーズが定番で、値段は1.8PLNから2.5PLN。中央広場付近は2PLN、郊外は割安に、クラクフ空港内が一番高い2.5PLN。同じベーカリーのパンでも場所によって値段が変わります。そして毎年少しずつ値上がりしています。

材料はいたってシンプル。小麦粉、バター、砂糖、イースト、塩と水です。ベーグルと同じく焼き上げる前にサッと茹でることでもっちりとした歯ごたえがうまれます。素朴な味ですが、噛めば噛むほど小麦のうまみが出て、ついつい食べ続けてしまいます。筆者のおすすめはチーズのトッピング。

香ばしいチーズの風味がたまりません!手作りなので、形も焼き加減も少しずつ違いますが、あまり焼きすぎていないものの方が硬すぎず、もっちりしていておいしいです。
博物館で手作り体験

2年ほど前に、クラクフの中央広場から歩いて数分のところにŻywe Muzeum Obwarzankaというオブヴァジャネック博物館ができました。博物館というよりは、体験教室といった感じで、オブヴァジャネックの作り方を歴史を交えながら学ぶことができます!水曜日と土曜日は英語のコースも用意されており、所要時間は約1時間、料金は20PLNです。空きがあれば予約なしでも参加可能ですが、事前予約をおすすめします(インターネット可)。

自分で作った焼き立てのオブヴァジャネックの味は格別!修了証書ももらえます。カフェスペースもあり、オブヴァジャネックのグッズも販売しています。また、HPではオブヴァジャネックのレシピが公開されています。材料は日本でも手に入りますので、気になる方はぜひ作ってみてください!