湘南ベルマーレ FW町野修斗 写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグ第6節の全9試合が3月31日と4月1日に行われ、湘南ベルマーレは1日、本拠地のレモンガススタジアム平塚でガンバ大阪と対戦。最終スコア4-1で勝利した。

今季のホームゲーム初勝利により、リーグ戦2勝2分け2敗の8位に浮上した湘南。ここでは同試合のターニングポイントであるFW町野修斗の良い守備に着目し、また湘南が更なる躍進に向けて改善すべきポイントについても言及する。


ガンバ大阪 GK谷晃生 写真:Getty Images

湘南vsG大阪:試合展開

湘南は持ち前のハイプレスで、G大阪の自陣後方からのパスワークに対抗。攻撃面では最終ラインから日本代表FW町野修斗へのロングパスを多用し、G大阪の前線からの守備を回避しようとする意図が窺えた。

この試合で先制したのは湘南。前半21分、MF阿部浩之のロングパスに反応した町野が、G大阪のGK谷晃生と対峙。弾んだ球の処理にもたついた谷に町野が詰め寄ってマイボールにすると、無人のゴールにシュートを突き刺した。

このゴールで勢いづいた湘南は、その後も町野を中心に攻めたてる。前半38分にも同選手が前線でボールを収め、攻撃の起点に。その後湘南のDF石原広教が敵陣右サイドを駆け上がり、ペナルティエリアへクロスを送ると、アウェイチームがクリアしきれなかったボールを町野が押し込んだ。

前半40分には湘南のMF永木亮太のフリーキックを、相手GK谷が処理しきれず。ペナルティエリア左隅で待ち構えていた町野のループシュートが谷の頭上を通過し、ゴールに吸い込まれた。

同42分にも、MF中野嘉大の左サイドからのクロスに町野が合わせゴールゲット。この日本代表FWの4ゴールで優位に立った湘南が、G大阪の反撃を途中出場のFWイッサム・ジェバリの1ゴール(後半18分)に抑え、白星を飾っている。


湘南ベルマーレ FW町野修斗 写真:Getty Images

湘南を助けた町野の守備力

守備の連動性が高くなかったこの試合の湘南のなかで奮闘したのは、4ゴールを挙げた町野だった。

相手チームのボランチや中盤の底の選手(アンカー)へのパスコースを塞ぎながら、センターバックに寄せていく町野の守備はこの日も自軍の助けに。G大阪のパス回しをサイドへ誘導するうえで、同選手はこの重要なタスクを忠実にこなしていた。

町野の守備力が特に発揮されたのが、相手GK谷からボールを奪った先制ゴールの場面。阿部のロングパスに反応した町野は途中で走る速度を緩め、谷がボールを弾ませるのを誘う。谷が球をバウンドさせた隙に加速し、マイボールにしてみせた。

町野が走る速度を緩めず、トップスピードのままであったならば、谷は迷わずタッチラインに向かってボールを蹴っていたはず。このゴールは昨季まで湘南でプレーした谷の凡ミスと言うより、町野が元チームメイトとの駆け引きに勝ったと表現するのが的確だろう。それまで試合を掌握しきれていなかった湘南は、町野の良い守備から生まれたゴールを圧勝に繋げてみせた。この町野の好プレーが試合の分岐点となったのは間違いない。

湘南ベルマーレvsガンバ大阪、先発メンバー