マチュピチュ遺跡やナスカの地上絵など、世界中の観光客を魅了してやまない観光地に恵まれたペルー。一方で、外国人にはほとんど知られていないものの、地元ペルー人にはなぜか人気という不思議スポットも少なくありません。今回ご紹介するフニン州ハウハ郡パカ村も「ペルーで見逃せないイチオシの観光地」としてご紹介するほど有名ではないのですが、もし訪問したら思わずSNSでシェアしたくなること請け合いのオモシロポイント。その秘密は、フニン名物のある生き物に由来します。
目次
まずはペルー初の首都ハウハを目指そう
アンデスのカエル村、パカ
まずはペルー初の首都ハウハを目指そう
パカ村を訪れるには、まずハウハへ向かわねばなりません。インカ時代に「HatunXauxa(ハトゥン・ハウハ)」と呼ばれたこの街は、インカの首都クスコより低緯度に位置するため、クスコとほぼ同じ標高3370mでありながら気候は温暖。カパック・ニャン(インカ道)を通じてペルー太平洋沿岸エリアともつながっていることから、ペルー侵略の拠点に相応しいと考えたスペイン人侵略者フランシスコ・ピサロはこの地を「Santa Fe de HatunXauxa(サンタ・フェ・デ・ハトゥン・ハウハ)」と改名、1534年4月25日にペルー初の首都と定めました。(その後、本国スペインとの交易等を鑑み、翌1535年1月にはリマに首都を移しています)

ハウハのアルマス広場にある「Iglesia de la Santa Fe de Jauja(ハウハのサンタ・フェ教会)」。1566年の建造で、国家文化遺産にも登録されています。

サンタ・フェ教会の隣には、2階建てのハウハ市庁舎があります。
Jauja/ハウハ
行き方:リマから飛行機で1時間、バスで7時間
アンデスのカエル村、パカ
ハウハの宿に荷物を置いたら、早速パカ村へ行ってみましょう。「Distrito de Paca(パカ地区)」は、ハウハの北約8キロに位置する人口2,000人足らずの小さな村。この村でぜひご紹介したいのが、村の外れにあるこちらの公園です。

「Parque Ecológico Turístico de Paca(パカ観光エコロジー公園)」、ずいぶん大仰な名前ですね。

石を積み上げた不思議な構造物が、公園の敷地いっぱいに造られています。この石組みは、インカに征服されたこの地の先住民「Huanca(またはWanca/ワンカ)」の建築様式をまねたもの。ワンカとはインカの言葉ケチュア語で「小さな石」という意味です。
ところで写真中央左手に巨大な牛のオブジェがありますが、その牛の視線の先に何やら緑色の物体があるのが見えますでしょうか?

その緑色の物体は・・・・・・なんとカエル!

なぜかこちらにもカエルが!
実はこのフニン州、蛙の生息地として有名。ペルーアンデスの固有種で巨大蛙として知られるBatrachophrynusmacrostomusや、同じく固有種のGastrotheca Peruana、また南米大陸に広く生息するPleurodemamarmorataなどが確認されています。この公園は、そんな地元の豊かな生態系(エコロジー)を紹介する場所だったんですね。

カエルの隣で「ハイ、ポーズ!」と楽しむペルー人観光客。