言葉を話せない赤ちゃんにも論理的思考能力がある
研究を主導した西ポンペウ・ファブラ大学のニコロ・チェザーナ・アーロッティ氏によれば、子どもは予期せぬ事態を目の当たりにすると、その光景を長く見つめる性質があるということだ。期待を裏切られたことで「信じられない!」気持ちになって、何度も確かめたくなるのはわれわれ大人にも当てはまるだろう。
したがって、2つのアニメを見た赤ちゃんが最後に明らかなった花と恐竜のどちらを長く見つめていたのかがわかれば、赤ちゃんに論理的思考能力があるかどうかが判明することになる。
収集したデータを分析した結果、赤ちゃんは花よりも恐竜を長く見つめていることが明らかになった。生後12カ月、19カ月のいずれの赤ちゃんにおいても予想を裏切る結果となるほうの画像に「信じられない!」とばかりに視線が釘づけになっていたのだ。そしてこの結果は、赤ちゃんに論理的思考能力が備わっていることを示唆するものになる。
赤ちゃんにも論理的思考能力があるという今回の研究結果は多くの注目を浴びているようだ。アメリカ、ノースウェスタン大学のスーザン・ホープ氏が支持している一方で、同カリフォルニア大学デービス校のリサ・オークス氏は、赤ちゃんは驚いたのではなく、単にもう一方の画像が登場しないから長く見ていただけである可能性を指摘している。
また、認知発達心理学の専門家であるアリソン・ゴプニク氏は、母国語を習得する前の乳幼児は独自の内面的な言葉で自分と会話している可能性を指摘している。その独自の“言語”は話せるようになってからは徐々に忘れ去られていくのだが、例えば大人でも考えごとの最中に頭を掻いたりアゴを撫でたりしているときには、言葉を使った推論とは別の思考法を採用している可能性があるかもしれないのだ。とすれば、時にはこうした「言葉にならない心の声」に耳を傾けてみれば思わぬ発見があるのかもしれない。
参考:「Big Think」、ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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