定年退職後の暮らしを考える上で、住まいは重要な要素だ。在職中と比べると、ほとんどの人は収入が大幅に減ってしまうため、持ち家がない場合は毎月の家賃が家計の大きな負担となるだろう。ここでは、シルバー以降世代の賃貸生活にどんな選択肢があるのか紹介する。

シニア以降世代は公営住宅やURの比率が高くなる

内閣府「令和4年版高齢社会白書」によると、65歳以上の人がいる世帯の約8割が持ち家に住んでいる。次いで民営借家が11.1%、公営・都市再生機構(UR)・公社の借家が6.5%だ。

なお、65歳以上の単身世帯と65歳以上の人がいる夫婦だけの世帯では、前者の持ち家率が66.2%、後者が87.4%となっている。

すべての世帯のデータを含めて、住宅の種類をまとめたものが以下の表だ。

持ち家 公営・
都市再生機構(UR)
・公社の借家
民営借家 給与住宅 不詳
主世帯総数 61.2% 5.0% 28.5% 2.1% 3.3%
65歳以上の者の
いる主世帯
82.1% 6.5% 11.1% 0.2% 0.2%
65歳以上の
単身主世帯
66.2% 11.6% 21.7% 0.2% 0.3%
65歳以上の者のいる
夫婦のみの主世帯
87.4% 5.5% 6.9% 0.2% 0.1%
65歳以上の者のいる
その他の主世帯
88.9% 3.7% 7% 0.2% 0.1%
(内閣府「令和4年版高齢社会白書」を参考に筆者作成)

ここで注目したいのは、すべての世帯のデータにおいて公営・都市再生機構(UR)・公社の借家に住む人が民営借家に住む人の5分の1以下であるのに対し、65歳の人のいる世帯では半数以上に達していることだ。

持ち家を持たないシニア以降世代は、他の世代よりも公営・公社住宅やUR賃貸住宅に住む比率が高いということだ。