パワーハラスメントやセクシャルハラスメントと地続きの問題として、「ジェンダーハラスメント」が話題になっている。ここでは何がそれにあたり、どれくらいの人が被害を訴えているのかを紹介する。また、自分が意図せず加害者にならないための心構えについても解説しよう。

女性社員の「うちの女の子」呼び、男性社員への「男は残業」はNG

ジェンダーハラスメントとは「性別に関係するハラスメント」のことで、特に女性に対するものが問題になりやすい。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の公式サイトにはジェンダーハラスメントについての記載があり、女性社員が上司や同僚から容姿・年齢・結婚(離婚)などに関する発言を受けるケースが目立っているという。

また、民間企業の非管理職女性565名を対象とした調査も紹介している。男性社員は姓で呼ぶのに、女性社員は名前に「さん」付けや「ちゃん」付けで呼ばれると回答した女性は全体の約6割、女性社員は姓名ではなく「うちの女の子」と呼ばれるという回答は約5割に達している。

その他、「若い子はいいね」「おばさん」などの発言や、「まだ結婚しないの」「どうして結婚しないの」などの発言、服装や髪型や化粧についての頻繁な意見なども4~5割が経験しており、多くの女性がそれを不快と感じていることも調査結果にまとまっている。

さらに、さまざまな調査・研究からジェンダーハラスメントが女性の就業意欲を低下させ、ストレスを与えるとしている。

ここでは女性へのジェンダーハラスメントのみが取り上げられているが、もちろん男性へのそれも存在する。「男性社員のみ残業」「男が弱音を吐くな」「男だから運転担当」「結婚しないと一人前の男じゃない」といった言葉は、個人差を無視して性別だけで一方的に決めつけるジェンダーハラスメントといえるだろう。