物価高もあり、新入社員や現社員の給与を上げる企業が増えている。特に大企業で賃上げムードが高まってきた日本で、昨年から今年にかけて給与を大幅に引き上げた企業をピックアップする。

給与アップを狙って転職を検討している人は、再就職先を探す際の参考にしてほしい。

賃上げに潜む狙い・目的

そもそも、企業が賃上げをする理由は何だろうか。

昨今の物価高に対応して従業員の待遇を底上げすることを目的とするケースもあれば、賃上げによって優秀な人材を確保しやすくするという狙いがあるケースもある。従業員の待遇を手厚くすれば離職率の低下につながるため、賃上げは人材戦略の一環といえる。

しかし、賃上げにはコストが伴う。離職率を下げるため、もしくは優秀な人材を確保するためだといって賃上げを決めても、人材コストの増加によって資金繰りが圧迫され、その結果経営状況が悪化してしまっては意味がない。

これらを考慮すると、この時期に足早に一定規模の賃上げを実施できる企業は、財務的な「体力」がある企業といえる。

岸田文雄首相は今年1月の経済三団体の新年祝賀会で「インフレ率を超える賃上げを」と企業経営者らに呼びかけており、これも特に大企業の賃上げを後押ししている。